(2024/12/11 12:00)
狭山金型製作所(埼玉県入間市、大場総一郎社長)は、プラスチック部品の金型製作・射出成形などを手がける。精密で微細な加工を強みとし、1964年の創業以来、高い技術力や顧客のニーズ対応力が評価されてきた。2023年に社長交代を実行し、社内組織の若返りや営業力の強化などを進める。大場社長に強みとする技術や新たに挑戦する取り組みについて聞いた。
―60周年の節目を迎え、あらためて自社の製品や技術の強みをどのように認識していますか。
「創業以来培ってきた超精密で超微細な金型製作や射出成形ができるところだ。主に半導体・自動車・医療機器・コネクターなどの小物精密部品向けに、樹脂および金属粉末射出成形(MIM)用金型の試作・量産に対応している。0・1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)単位まで制御できる数値制御(NC)研削盤や放電加工機、マシニングセンター(MC)など最高峰かつ最先端の設備を導入している。温度差による金属の変形を防ぐため、加工する部屋の室温を誤差プラスマイナス1度Cにキープするなど環境を整えている」
―社長就任から約2年が経過しました。
「最近は社内組織の改革やデジタル変革(DX)にも積極的に取り組んでいる。さまざまな部門(事業部)のリーダーやマネジャーに30代の社員を起用したり、クラウド名刺管理サービス『Sansan(サンサン)』を活用し情報をデジタルに置き換えて共有したりするようにした。これらの取り組みは営業力の強化につなげるためだ」
―販路の拡大も欠かせませんね。
「10年以上前から海外の展示会に出展し、新規分野を開拓している。特に当社の持つ『ゼロからイチ』への開発力・技術力が評価され、昨今は米シリコンバレーのスタートアップから医療用精密部品などの受注を獲得できた」
―今後注力したい点は。
「開発を通して磨いた技術力やノウハウ、精度の高さなどを武器に、営業力や提案力の強化に努めたい。ひと口にDXと言っても省人・省力化を目標とせず、その先に残る匠の技を価値ある日本の技術として対外的にも伝え、ビジネスにしていけたらと考えている」
(2024/12/11 12:00)
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