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JIMTOF2016 Tour Guide for Students

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MAMTEC 代表 清水伸二 (上智大学名誉教授)

 ここでは初めて最先端の工作機械を見学する学生の皆さんや工作機械初心者の方々が、JIMTOF2016を効率的に見て歩くためのガイドをさせていただきますので参考にして下さい。

 各社の展示ブースへ行くと数多くの最新の工作機械が展示され、機械によってはデモ加工が行われていると思います。まず、製品モデルを加工するため、何が必要になっているかに注目してみよう。下図に示すように、機械本体と機械を制御するコンピュータ数値制御(CNC)装置と周辺装置、そして加工を行うための工具、その工具や工作物をしっかり把持する保持装置が基本的に必要な要素です。これらにより作りたい製品(工作物:形状・寸法・精度・材質)が加工されます。加工点(加工プロセス)では、切削液(クーラント)が供給され、切りくずが発生し、目には見えませんが切削抵抗・熱・振動が発生しています。

JIMTOF2016見学のポイント

 各メーカはより高精度な製品を産み出せるよう、加工プロセスでのこれらの現象を最適な状態にする必要があります。そのため機械の構造形態の検討とともに、機械を構成しているコラム・ベッド・主軸頭・テーブルなどの「主要構造要素」と、それらの「結合部」である主軸受や案内、そして主要構造要素の中で運動する主軸やテーブルを駆動する「駆動機構」の設計に各種技術を投入していますのでじっくり観察してみてください。例えば,本体構造の新しい形態や構造材料、高精度・高剛性で高速対応の主軸受や案内、高速・高加減速で、かつ高精度・高剛性な駆動方式などがありますが,機械のそばのパネルでそれらの技術内容の紹介がされていることもありますので見てみよう。

 一方、どのような制御装置、自動工具交換装置、自動工作物交換装置、工具や工作物マガジンを搭載しているのか、工具や工作物はどう保持されているのか、加工時にどんな測定が行われているのかを見るのも興味深いところです。またその機械は産業界のどの分野に向け開発されたものか、どんな形状・サイズ・材質の工作物を加工するのに適しているのかなどを見てみるとさらに興味が湧いてきます。と言うわけで、まずは1台の工作機械をじっくり見てみると、他の工作機械を見るポイントが見えてくると思います。

 このような工作機械を中心とした各種展示物を見るには広い会場の中でどのホールに行ったらよいのか、上記の会場マップを使って以下でガイドします。

 工作機械としては、NC旋盤、ターニングセンタ(TC)、マシニングセンタ(MC)、中ぐり盤、ボール盤、研削盤、表面仕上げ機械(ホーニング盤、ラップ盤、ポリッシング装置など)、放電加工機、歯切り盤(ホブ盤など)、レーザ加工機、超音波加工機、ウオータジェット加工機など多くの新製品が展示されている。これらは東展示棟のいたるところで展示されています。まずNC旋盤、TC、MCについては東展示棟全6ホールで展示されています。研削盤は主に東1、2、3ホールで展示されています。また、この東1、2、3ホールでは欧州製工作機械の輸入商社の展示も行われているので、海外の工作機械も見ることができます。一方、CNC装置やコンピュータ支援設計・製造(CAD/CAM)の展示は東4、5、6ホールで展示されています。工作機械との高度な連携が期待されているロボット関連もこのホールで見られます。

 東7ホールは海外出展者の展示場となっており、多くの海外メーカからの展示が見られます。ここには工作機械から切削・研削工具、各種ものづくり関連機器など広範囲の製品が展示されています。国もドイツやスイス、米国など欧米各国、台湾、中国、韓国といったアジア勢など多彩です。

 西展示棟1階の西1ホールでは、加工に使われる切削工具を、西2ホールでは工具保持具(ツールホルダやチャック)、工作物保持具(工作物取付具やチャック)と軸受やボールねじ,転がり案内などの機械要素の展示を見ることができます。また西展示棟4階の西3ホールでは各種測定器や検出器を、西4ホールでは研削砥石や機械要素としての歯車、ものづくり関連の機器などが展示されています。

 以上ですが、工作機械を初めて見る学生の皆さんは、まず東1、2、3ホールと、東4、5、6ホールから見ることをお薦めします。会場マップには各種情報がどこでゲットできるかも示されているので、有効活用しJIMTOF2016を大いに楽しんでください。

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