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(2019/11/8)
カテゴリ:商品サービス
リリース発行企業:鎌倉コーポレーション
鎌倉企業倒産インデックスは、0.29%ポイント低下し13.01%まで下落
2019年11月4日(ニューヨーク):金融市場を精査すると今後5年間に、数兆ドルにも上る世界中の債務が満期を迎えることから、投資家は、デフォルトの大きな波に対して備えを開始する必要があります。一方、鎌倉企業倒産予測インデックス(R) (http://www.kamakuraco.com/Solutions/KamakuraRiskInformationSvcs/TroubledCompanyIndex.aspx)は、当面、比較的安定した数値を示しており、10月は、前月比0.29%低下し、13.01%に改善しています。このインデックスは、上場企業40,500社中で1%超のデフォルト確率を有する企業の割合を示したものです。インデックスの上昇は信用度の低下、インデックスの下落は信用度の改善を意味します。
10月末時点で、デフォルト確率1%~5%の企業の割合は10.27%と、前月比0.32%低下しています。デフォルト確率5%~10%の企業の割合は1.81%と、前月比0.07%上昇。デフォルト確率10%~20%の企業の割合は0.04%低下して0.71%となっています。また、デフォルト確率20%超の企業の割合は前月比変わらず0.22%となっています。
インデックスは、10月2日の14.93%から10月30日の12.45%の幅で推移し、ボラティリティは、2.48%に低下しました。年間ではインデックスは、4月22日の10.11%から8月5日の16.72%の幅に収まって変動しています。
10月の企業倒産予測インデックス13.01%は、1990年以来計測されてきた過去の信用度において42番目のパーセンタイルに属します。10月時点で最もリスクの高い企業リストに含まれる10社のうち、7社が米国企業、残りが各々スペイン、スイス、英国企業でした。10月も最もリスクの高い企業として留まったのは、アシナ・リテール・グループ社[Ascena Retail Group Inc. (NASDAQ: ASCENA)]で、1年以内の鎌倉デフォルト確率 (KDP) が前月比4.46%ポイント上昇し54.62%となりました。10月には調査対象企業の中で3社が債務不履行に陥り、そのうち2社が米国企業、残り1社がタイ企業でした。
世界中で格付けされている全ての企業に対する鎌倉累積期待デフォルト曲線は、1年以内の期待デフォルト確率が0.12%改善して1.19%に下落する一方、10年以内の期待デフォルト確率は0.76%上昇して15.62%に悪化し、拡大しました。
解 説
解説者:鎌倉コーポレーション 社長 兼 最高執行責任者 マーチン・ゾーン(Martin Zorn)
米国連邦準備理事会(FRB)は、10月30日にベンチマーク金利の利下げを行いましたが、ジェローム・パウエルFRB議長は、「経済見通しの再点検が必要となる出来事が起ることによってのみ、更なる利下げを検討することになる」と述べ、追加利下げに対するそのポジションを明確化しました。企業のデフォルト率は、依然、穏やかに推移していますが、リスクが現実的なものとなる可能性が視野に入ってきています。
オックスフォード・エコノミクス社の分析が示すように、今後5年間で4兆ドルの負債残高が満期を迎えることとなります。下図は、その負債残高における投資適格債券と投機的格付債券の内訳を示しています。
企業債務の満期構成
これほど多額な債務残高が借り換えの必要性に直面しており、鎌倉累積期待デフォルト曲線上において、期待デフォルト件数が今後5年間に突出しているのは当然といえます。景気が後退すると、特に投資家信頼感の下落を伴った不況下では、デフォルト件数が急増することになり、最もリスクの高いセクターとしては、これまで同様、エネルギー、リテール部門、テレコムが挙げられます。
しかしながら、グローバル市場で格付け無しで発行されている債券を分析すると、リスクがより広範囲なスペクトルに及ぶことが分かります。最もリスクの高い発行体として格付けされている企業のうち、70%が米国企業ですが、下図からも明らかなように、格付けを取得していない企業まで含めると、最もリスクの高い企業のうち60%が米国外の国際企業で、20%が香港企業となり、グローバル市場において更に広範囲なリスクが見て取れます。債務の借り換えリスクが、今後数年にわたり、債券投資家や貸し手にとって最大の懸案事項の一つとなります。
企業倒産予測インデックスについて
鎌倉コーポレーションの企業倒産予測インデックス(R)は、76カ国の40,575社の上場企業のうち、1ヵ月以内のデフォルト・リスクが年率1%超の企業の割合を計測します。1990年1月以来計測してきたインデックスの平均値は14.35%です。 このデフォルト確率は、財務指標、過去の株価、マクロ経済要因等の高度な組み合わせに基づいてデフォルト予測を行うJarrow-Chava誘導型デフォルト確率モデル(http://www.kamakuraco.com/LinkClick.aspx?fileticket=Ae-YpOQ9SXQ%3d&tabid=71)KRIS(鎌倉リスク情報サービス)バージョン6.0によって作成されるものです。KRISバージョン6.0モデルは、220万件超の観測結果、2,600社超の倒産件数のデータベースを使用して開発されました。定期契約者には、フルモデルのテスト結果やパラメータが含まれるテクニカル・ガイド一式が提供されます。KRISサービスには、鎌倉の先端的な企業リスク管理ソフトウェア・エンジンである「鎌倉リスクマネージャ」にシームレスに搭載可能な他の多くの多彩なデフォルト確率モデルも含まれています。利用可能なモデルには、非上場企業デフォルト・モデル、商業用不動産モデル、米国銀行モデル、ソブリン・モデル等が含まれています。関連データとしては、クレジット・デフォルト・スワップの参照銘柄ごとの取引高、マーケット・インプライド・クレジット・スプレッド、米国市場で取引される全銘柄の社債の価額、等が含まれます。マクロ・ファクター・パラメータの利用契約には、米国国債、ドイツ国債、英国国債、カナダ国債、スペイン国債、スウェーデン国債、オーストラリア国債、日本国債、タイ国債、シンガポール国債を対象にしたHeath、Jarrow、Mortonの期間構造モデルが含まれています。全てのパラメータは、Heath、Jarrow、Morton著の、更にはAmin、Jarrow著の独創性に富んだ論文に従って、無裁定価格方式により算出されています。KRISマクロファクター・シナリオ・サービスの利用契約には、金利やマクロファクターに対するリスク中立シナリオ及び「リアルワールド」実証シナリオが含まれています。バージョン6.0モデルでは1990年から2014年5月までの区間推定が行われ、近年の信用危機の全体像に関する洞察が含まれています。
鎌倉コーポレーションについて
1990年に設立され、ホノルルに本社を構える鎌倉コーポレーションは、リスク・マネージメントに関する情報提供サービス、計算サービス、ソフトウェア開発のリーディングカンパニーです。Technology Solutions for Credit Risk 2.0 2018 (信用リスクに対するテクノロジー・ソリューション2018年2.0版) (http://www.kamakuraco.com/KamakuraCorporationRecognizedAsCategoryLeader.aspx) によってChartis Reportのカテゴリー・リーダーに認定されたほか、World Finance誌の編集者や読者の皆様により、2012, 2016, 2017年度のワールドファイナンス100社に選出されています。2010年には、Credit Magazine誌の二分野のイノベーション・アワードを受賞した唯一のベンダーとなりました。鎌倉リスクマネージャ(Kamakura Risk Manager( http://www.kamakuraco.com/KamakuraRiskManagerVersion10.aspx ))は、1993年に市販を開始し、現在はバージョン10.0.3まで改良されています。ユーザーが一つのソフトウェア・ソリューション上で、信用リスク、ALM(資産負債管理)、市場リスク、ストレステスト、流動性リスク、カウンターパーティ信用リスク、資本の配分等にフォーカスできる、初の企業リスク・マネージメント・システムです。2002年、KRIS上場企業デフォルト確率サービス(KRIS public firm default service http://www.kamakuraco.com/Solutions/KamakuraRiskInformationSvcs.aspx))の提供を開始。2008年、世界で初めて、国家のデフォルト確率サービスであるKRISソブリン・デフォルト確率サービス(KRIS sovereign default service (http://www.kamakuraco.com/Solutions/KamakuraRiskInformationSvcs.aspx))を発表。2011年初頭に、KRIS非上場企業デフォルト確率サービス(KRIS non-public firm default service (http://www.kamakuraco.com/Solutions/KamakuraRiskInformationSvcs.aspx))の提供を開始し、2014年には、米国銀行デフォルト確率サービス(U.S. Bank default probability service (http://www.kamakuraco.com/LinkClick.aspx?fileticket=jFKWm1hKSO0%253d&tabid=104))をそのラインアップに追加しています。鎌倉コーポレーションは、15億~3兆ドルの資産規模を持つ330社超のお客様に、そのサービスを提供してまいりました。現在、弊社のリスク・マネージメント製品は、世界47カ国でご利用いただいております。
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