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2024年1月17日(水)QPS研究所の小型SAR衛星5号機 「ツクヨミ-I」による初画像(ファーストライト)を公開します

(2024/1/17)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:株式会社QPS研究所

2024年1月17日(水)QPS研究所の小型SAR衛星5号機 「ツクヨミ-I」による初画像(ファーストライト)を公開します

世界トップレベルの小型SAR(※1)衛星の開発・運用を行う株式会社QPS研究所(福岡市中央区、代表取締役社長CEO:大西俊輔、以下QPS研究所)は、2024年1月17日(水)に小型SAR衛星QPS-SAR 5号機「ツクヨミ-I」の最初の画像(ファーストライト(※2))を公開いたします。2023年6月に打上げられた初の商用機であるQPS-SAR6号機「アマテル-III」に続き、「ツクヨミ-I」は衛星コンステレーション(※3)を構築するための2機目の商用機となります。


QPS 研究所が北部九州を中心とした全国25 社以上のパートナー企業と共に開発・製造した「ツクヨミ-I」は米国Rocket Lab社のロケット「Electron(ミッションネーム:The Moon God Awakens)」によって2023年12月15日(金)1:05p.m.(日本時間)に打上げられ、57分後に高度約575km、軌道傾斜角42度の軌道に投入されました。そしてその40分後には初交信に成功し、翌12月16日(土)の朝に収納型アンテナの展開をいたしました。その後、衛星機器の微調整を続け、打上げより約1ヶ月後の本日、この度取得した画像の公開に至りました。
この後は、引き続き衛星の姿勢制御の調整を行いつつ、「アマテル-III」と同じくアジマス(※4)、レンジ(※5)分解能共に46cmの高解像度モードでの観測を開始いたします。

(※1) SAR (合成開口レーダー):電波を使用して地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測することができる点が特長。
(※2)ファーストライト:初画像のことを言います。公開した画像データは衛星の機能を試験・調整している中で初で確認できた試験データになります。
(※3)複数の人工衛星の協業によって高頻度な地球観測を可能とするシステム。(コンステレーションは「星座」の意。)
(※4) アジマス:衛星の進行方向。 
(※5) レンジ:衛星のマイクロ波を照射する方向。もしくは、衛星の進行と直交する方向。

【ファーストライト詳細】


観測日時
1. 2024年1月16日(火)18:11(日本時間)
2. 2024年1月15日(月)14:46(日本時間)
3. 2024年1月13日(土)19:44(日本時間)

観測場所
1. 広島県 広島市 (観測時の天候:晴れ、雲量は7~8割)
2. 石川県 輪島市 (観測時の天候:雨)
3. 福岡県 北九州市関門海峡付近(観測時の天候:曇り~にわか雨)
※天候は全て気象庁の公開データより


分解能
1. アジマス分解能1.8m x レンジ分解能49cm(オフナディア角27.7度)
2. アジマス分解能1.8m x レンジ分解能50cm(オフナディア角26.9度)
3. アジマス分解能1.8m x レンジ分解能57cm(オフナディア角23.7度)


画像説明補足
「ツクヨミ-I」は分解能1.8mの通常モード(ストリップマップモード)と分解能46cmの高精細モード(スポットライトモード)の観測ができ、この度は通常モードでの観測となります。



【ファーストライト SAR画像】


QPS-SARは、初期運用の段階で電波の出力を徐々に上げながら試験的に観測を行って、定常的な観測ができる出力値まで徐々に調整いたします。この度の1.の広島市の画像は「ツクヨミ-I」の定常的出力による観測をおこなった画像です。2.の能登市は調整中の約1/2の出力、3.の北九州市関門海峡は約1/4の出力で観測したものですが、この度、1.の広島市と合わせて公開をいたします。
※拡大版は弊社ホームページのニュース(https://i-qps.net/news/news/1693)にて掲載している画像をご覧いただければ幸いです。

1. 広島県広島市全体。海、山、川によってもたらされる自然豊かな様子、市街地の中に6つの川幅の広い河川が流れる「水の都ひろしま」の特徴が分かります。

拡大場所1.−1:広島城付近

拡大場所1.−2:港に車が並ぶ様子

2.石川県輪島市。画像中心に河原田川が流れる輪島市街地。ツクヨミ-Iは傾斜軌道に投入されているため、太陽同期軌道に比べて東から西に延びる海岸部を広域で観測できます。

3.関門橋を中心に、右には福岡県北九州市門司区、左には山口県下関市が広がります。行き交う船舶や港湾のクレーンも鮮明に確認できます。


【代表取締役社長CEO 大西俊輔 コメント】


「商用機2機目となる「ツクヨミ-I」は大きなトラブルなく初期運用も順調に行うことができ、打上げ約1ヶ月後のタイミングで初画像を公開できたことを大変嬉しく、運用チームをはじめ関係者皆様に感謝しております。「ツクヨミ- I」は傾斜軌道に投入され、日本含めて中緯度付近では1日に同じ地点の上空を5、6回通るため、太陽同期軌道を周回する衛星と比べると観測回数が多く、かつ様々な方向からの観測が可能となり、私たちが目指す準リアルタイムデータ提供サービスにおいても重要な意味を持ちます。この後は、46cm分解能の高精細モードでの観測に向けて引き続き一歩ずつ確実に進んでまいります。」

会社概要


社名  :株式会社QPS研究所(東証グロース市場 証券コード:5595)
本社住所:福岡市中央区天神1-15-35 レンゴー福岡天神ビル6階
代表者 :代表取締役社長 CEO 大西俊輔
創業  : 2005年6月
URL  : https://i-qps.net/
事業内容:人工衛星、人工衛星搭載機器、精密機器、電子機器並びにソフトウエアの研究開発、設計、製造、販売

QPS研究所は2005年に福岡で創業された宇宙開発ベンチャー企業です。名前のQPSとは「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取っており、九州宇宙産業の開拓者となること、更には九州の地より日本ならびに世界の宇宙産業の発展に貢献するとの思いが込められています。その名の通り、九州大学での小型人工衛星開発の技術をベースに、国内外で衛星開発やスペースデブリへの取り組みに携わってきたパイオニア的存在である名誉教授陣と若手技術者・実業家が一緒になって、宇宙技術開発を行っています。
QPS研究所は従来のSAR衛星の1/20の質量、1/100のコストで100 kg 台の高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功し、現在は商用機2機を運用し、夜間や天候不良時でも高分解能・高画質で観測できる世界トップレベルのSAR画像を提供しています。この後も毎年複数機の衛星を打上げ、2027年度には24機体制、そして最終的には36機による衛星コンステレーション(※2)を構築し、平均10分ごとの準リアルタイム地上観測データサービスの提供を目指しています。また、QPS研究所の事業は、創業者たちが宇宙技術を伝承し育成してきた北部九州を中心とする、全国25社以上のパートナー企業に力強く支えられています。

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