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両面採光型太陽電池モジュールの発電量を向上させるシートを提供開始

(2024/3/5)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:大日本印刷(DNP)

両面採光型太陽電池モジュールの発電量を向上させるシートを提供開始

太陽光発電所での実証において約6%の発電量向上を確認

大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、両面採光型太陽電池モジュールの発電量を向上させる「DNP太陽光発電所用反射シート」*1の提供を開始します。本製品は、両面で光を受けて発電するタイプの太陽電池モジュールが設置された発電所の地面に敷設するシートです。太陽光の反射能(アルベド)を向上させることでモジュールの裏面に入射する光を増加させて発電量を高める効果があります。


2020年から北海道旭川市の太陽光発電所で当製品の実証実験を行っており、このシートの効果によって、発電量が約6%向上することを確認しています。また、敷設から3年が経過した現在でもその性能を維持していることも確認できています。
*1DNP太陽光発電所用反射シートについて → https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/20171757_1567.html
DNP太陽光発電所用反射シート
地面に設置したシート・イメージ
【「DNP太陽光発電所用反射シート」開発の背景】
日本政府は2012年に、再生可能エネルギーの普及・発展を目指して、太陽光や風力等の再生可能エネルギーで発電した電気を一定の価格で一定期間電力会社が買い取るFIT(Feed-in Tariff:固定価格買取)制度を開始しました。この制度の適用期間は、容量10kW未満の太陽光発電で10年間、それ以上の容量では20年間となっています。運転開始から約10年が経過した発電所が増え、主要部品の交換を含めた関連機器の更新も増加する中、新たに両面採光型太陽電池モジュール等を導入して発電量を増やす「リパワリング」のニーズが高まっています。
こうしたニーズに対してDNPは今回、高い耐久性と信頼性を備えた太陽電池モジュール向けのバックシートや封止材を提供してきた実績を活かし、「DNP太陽光発電所用反射シート」の提供を開始します。このシートは、多彩な素材を組み合わせるコンバーティング技術と信頼性評価技術をもとに開発した、両面採光型太陽電池モジュールの発電量を向上させる製品です。

【「DNP太陽光発電所用反射シート」の特長】
1.85%以上と高い光の反射率で発電量を向上
本シートは、太陽電池の発電領域である光の波長400nm~1,200nmに対して、85%以上の高い反射率を有します。光の散乱効果が高いので、幅広い太陽の角度に対応可能です。また、シート内には金属層を含んでいないため、安心して使用できます。さらに、織物や不織布とは異なり、この製品の表面は平滑であるため、土・泥などの汚れの付着が少なく、防汚性にも優れています。これにより長期間シートの反射率を低下させることなく、発電量の継続的な向上が期待できます。

2.屋外耐用年数10年相当の耐久性*2
太陽電池モジュールの信頼性評価に用いられている耐高温・高湿試験、および耐候性試験において、屋外で10年相当が経過しても反射率に変化はなく、発電量向上効果が維持できます。また、機械的強度の劣化も無いことから長期にわたり高い耐風性を有しています。

3.高い遮光性による防草効果
本シートは、植物が光合成に利用する光の波長の90%以上を遮ることができるため、シートを敷いた地面への光の透過を抑制して、植物の育成を防ぐことができます。これにより、除草作業の負荷の軽減につながります。

【今後の展開】
DNPは、両面採光型太陽電池モジュールの導入を検討している発電事業者や、太陽光発電所の設計・調達・建設等を手掛けるEPC(Engineering/Procurement/Construction)事業者、運用・メンテナンス等を手掛けるO&M(Operation & Maintenance)事業者等に本製品を提供し、2025年度までに累計50億円の売上を目指します。今後も、再生可能エネルギーの普及・発展につながる製品を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

*2 本試験結果はあくまで耐用年数の目安であり、製品の使用環境などにより、耐用年数は異なります。実際の製品の耐用年数を保証するものではございません。
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