[ 科学技術・大学 ]

大阪府大、英語習熟度を推定する技術を開発−英文問題を読み解く眼球の動き解析

(2016/8/3 05:00)

  • 英文と問題文を見ている時の視点データ(大阪府大提供)

大阪府立大学大学院工学研究科の黄瀬浩一教授らは、英文問題を解く際の目の動きから、英語の習熟度を推定する技術を開発した。眼球運動を測定する装置「アイトラッカー」で視点情報を得て、動きの特徴を解析。英語習熟度の目安として英語能力テスト「TOEIC(990点満点)」のスコアを推定する。被験者21人が英文問題2文書を解いた実験では、推定スコアと実際のスコアとの平均誤差は30点だった。

アイトラッカーをパソコンに取り付け、画面に英文問題を表示。解答時にどこを見ているかの視点情報を、画面上の座標データとして取得する。

文書を読む際は、視点が留まる固定、固定からの急速な運動、瞬きの3種の眼球運動を繰り返しており、この3種を数値化して解析した。さらに英文問題の解答時は英語習熟度によって、本文や問題の読み方や答えの選択肢を探す目の動きに差が出る。視点情報からこれらの動きの特徴を抽出し、解答時間と正答数も合わせた重回帰分析によりTOEICスコアを推定する。

英語習熟度のテストはTOEICが一般的だが、試験時間や結果が出るまでに時間が必要。少ない問題数で手軽に英語習熟度を推定できれば、利便性向上や学習のモチベーション向上につながる。黄瀬教授は読んだ語数を計測する技術も開発しており、英語習熟度の推定と組み合わせて、勉強量と成績向上度の関係も分析できる。

今後は推定スコアの精度向上のために、体温や心拍など他の生体信号のセンサーの使用も検討する。日本語や物理の習熟度推定への展開も取り組む。

(2016/8/3 05:00)

関連リンク

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン