産業春秋/リアルハプティクス、現実へ大きく一歩

(2024/12/10 05:00)

「リアルハプティクスが現実となる大きな一歩だ」。慶応義塾大学の大西公平特任教授は喜んだ。研究を受け継ぐ野崎貴裕准教授らの研究グループと大林組が遠隔操作により、山岳トンネルの切羽(掘削面)を実火薬で発破することに成功した。

リアルハプティクスは、モノに触った感覚(力触覚)を伝送する技術。人の動きを遠く離れたロボットに送り、ロボットが対象に触った時の反作用を瞬時に返す。直接触っているような手応えで遠隔作業でき、さまざまな分野で人手不足や安全に貢献すると期待される。

発破は切羽への火薬装填を遠隔・自動で行うシステムを開発し、行った。長野県のトンネル工事現場で、切羽から320メートル離れたトンネル外から操作した。

この技術は2002年に慶大で発明された。ミリ秒単位で力触覚量を計算できる技術を開発し、硬いものも柔らかいものもロボットが人の手のようにさわり、つかめるようにした。各作業を自律学習させることで無人化も可能になる。「ここに至るまでに20年かかった」と感慨は深い。

今後はこの技術を「臨機応変ロボット」と称し、協働する企業を募る。リアルハプティクスを世界標準とするべく歩みを進める。

(2024/12/10 05:00)

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