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東海道新幹線、7年ぶりに車両更新 20年に「N700S」を導入

(2016/8/2 05:00)

  • 新型車両「N700S」(イメージ)

JR東海は東海道新幹線の車両更新を加速する。2020年に東海道新幹線の新型車両「N700S」を導入。新型車両を導入するのは13年の「N700A」以来、約7年ぶりとなる。足元では「N700系」を現行の最新型車両「N700A」と同等の機能に高める改造工事を実施しており、19年には131編成の全車両が最新型に置き換わる計画だ。JR東海はこの翌年から新型車両を投入し、矢継ぎ早に更新を進めることになる。(高屋優理)

【海外展開も視野】

JR東海が20年から導入するN700SはN700Aに比べ、駆動システムに次世代半導体「SiC(炭化ケイ素)素子」を採用する。

同社はSiC素子を採用した新幹線車両の駆動システムを、東芝、日立製作所、富士電機、三菱電機とともに共同開発。高速鉄道の駆動システムにSiC素子を採用するのは世界初となる。柘植康英社長が「海外展開も視野に入れた革新的な車両」と胸を張るのは、このためだ。

N700SはSiC素子の駆動システムに独自の走行風冷却技術を組み合わせ、大幅な小型・軽量化を実現。駆動システム自体の重量はN700Aに比べ約11トン、20%程度軽量化する。車両自体の重量もN700Aの1両713トンから、700トン以下になる。また、現在は全編成が16両編成の東海道新幹線だが、駆動システムの小型化で編成の自由度が増し、12両編成や8両編成なども可能になる。

【全席でスマホ充電】

サービス面では、モバイル端末用のコンセントを増設し、普通車も含めた全座席に設置。現行の車両はコンセントが窓側か最前列に限られており、ちょっとした争奪戦もあったが、全座席でスマートフォンなどの充電が可能になり、利便性が向上する。

JR東海は現在、N700Aを27編成保有しており、16―19年に20編成を追加投入し、19年までに51編成に拡大する。現在27編成保有する700系が、19年にすべてN700Aに置き換わり、改造を終えたN700系80編成を合わせて、131編成が最新機能を備えた車両となる。

【輸送力が強化】

700系が引退することで、全車両で最高速度285キロメートルの走行が可能になり、さらなる輸送力の強化につながる。

同社は18年3月にもN700Sの確認試験車を製作し、営業運転開始までの間、最終確認を実施する。すべての車両を最新型に更新した翌年から、間を置かずに最新車両を投入し、その時点で最も古い車両となるN700系を置き換える。

27年にはリニア中央新幹線が開通し、大きく役割が変わる東海道新幹線。新型車両は編成の自由度が増すなど、そこを見越した工夫もある。

(2016/8/2 05:00)

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