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[ 化学・金属・繊維 ]
(2016/9/8 05:00)
韓国サムスン電子の最新スマートフォン「ギャラクシーノート7」の電池異常問題が、日本の素材産業へ波及している。問題のリチウムイオン二次電池を製造したとされる同サムスンSDIに、日本メーカーもセパレーター(絶縁材)を供給しているからだ。異常発熱を防止する役割のセパレーターが機能せず、事故原因となった可能性がある。リコール関連費用は最大2兆ウォン(約1850億円)とも言われ、損害賠償を含めた今後の行方を関係者は固唾(かたず)をのんで見守っている。
世界最大手のサムスンSDIにセパレーターを供給しているのは韓国SKイノベーションや旭化成、東レ、帝人と見られる。ただ、旭化成は「現時点で納入している電池メーカーから本件に関して事実確認などの照会はない」と語った。
帝人は「今回の件で我々の製品は納めていない」と述べた。東レは「当社の製品が使われていたかどうかを含めて見解は話せない」と言うにとどめた。一方で、事故原因がセパレーター以外の可能性は残る。今回のスマホは急速充電の新機能が付いており、それが電池に負荷をかけたとの見方も出ている。
サムスン電子は世界で販売したスマホ250万台を回収すると2日発表した。8月中旬の発売後に消費者から出火や異常発熱などの報告が多く寄せられていた。
セパレーターは正極材と負極材が接してショートしないよう分離しつつ、高温発生時には溶けて電流を遮断する役目だ。日本の素材技術が生かせる分野であり、住友化学や宇部興産なども参入する。
今回の電池問題が車載用途拡大によるリチウムイオン二次電池市場の活況に水を差す事態になりかねず、素材各社はその動向を注視している。
(2016/9/8 05:00)
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