[ ICT ]
(2016/9/10 05:00)
ソフトバンクの孫正義社長は9日、都内で講演し、モンゴルの風力発電所で作った電力を日本へ送る構想について、事業性を調査したところ「技術的にできる。石炭火力よりもだいぶ安く(日本へ送電でき)いけそうだ。採算あり」と手応えを語った。「2020年にはほんの少しでも、(日本とモンゴルの電力網が)つながっていたい」と実現に向けて決意を語った。
孫社長は2011年の東日本大震災後の東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、アジアの国々が電力網をつなぎ、再生可能エネルギーで発電した電力を共有する「アジアスーパーグリッド構想」を提唱。実現に向けてソフトバンクは3月、中国、韓国、ロシアの3カ国の電力事業者と電力網を接続するための事業性調査を始めていた。
モンゴルの風力発電所から日本へ送電するコストを検証した結果、韓国経由、ロシア経由とも石炭火力発電所で1キロワット時の電力を作るコスト(10・5セント=10・7円)を下回ったという。具体的な数値は示さなかったが、「クレージーなアイデアだったけれど、実現が見えてきた」と語った。
ソフトバンクグループは、モンゴル・ゴビ砂漠に原発7基に相当する出力700万キロワットのウインドウファーム(大規模風力発電所)を建設する土地を確保している。
(2016/9/10 05:00)