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[ 科学技術・大学 ]
(2016/10/5 19:30)
スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2016年ノーベル化学賞を仏ストラスブール大学のジャンピエール・ソバージュ名誉教授(71)、米ノースウェスタン大学のフレイザー・ストッダート教授(74)、蘭フローニンゲン大学のバーナード・フェリンガ教授(65)の3氏に授与すると発表した。受賞理由は「分子機械の設計と合成」。賞金800万スウェーデンクローナ(約9500万円)は3氏で等分する。
3氏のうち、ソバージュ氏は複数の環が共有結合をせずに鎖のようにつながった分子集合体の「カテナン」について、金属錯体をテンプレートとして高効率に合成できる「超分子合成法」を1983年に開発。さまざまな超分子化合物の合成に道を開いた。
続いて1991年にストッダート氏は大きな環状のリングの穴を棒状の分子が貫通した構造の「ロタキサン」を合成し、これをベースに分子を使ったリフトや、分子筋肉、分子ベースのコンピューターチップを開発。さらにフェリンガ氏は1999年に分子のローターが連続的に同じ方向に回転する分子モーターを初めて合成した。
これらの成果は薬物送達システム(DDS)や分子筋肉などへの応用研究が進むほか、単分子スイッチとして分子コンピューターへの応用が期待されている。
(2016/10/5 19:30)