[ エレクトロニクス ]

半導体製造装置を知能化-メーカー各社、AI・ITで生産性向上支援

(2016/12/5 05:00)

  • 半導体製造装置を知能化し、高付加価値サービスにつなげる(日立ハイテクの那珂工場)

半導体製造装置メーカー各社はITや人工知能(AI)を活用し、半導体製造の生産性向上支援に乗り出す。東京エレクトロンは2019年度までに自律制御機能を搭載して知能化した装置を商品化。日立ハイテクノロジーズは製造条件などを遠隔管理できるサービスを、18年度をめどに一部事業化する。IoT(モノのインターネット)デバイスは品種が膨大になるとされる。半導体メーカーで工程可視化と生産性向上ニーズが高まるとみて、関連製品やサービスを投入する。

半導体製造装置はIoT市場の拡大によって、大量生産ではなく多品種のデバイス生産に適した直径200ミリメートルウエハー対応装置を中心に需要が急増すると見込まれている。このため、生産条件の遠隔管理や予防保全、効率的な消耗品供給といったニーズが高まるとみられる。

一方、IoT向けでは先端技術を活用する半導体は少なく、製造装置も先端装置に比べて安価で利幅が薄い。装置の知能化やサービス事業強化で、自社の収益拡大につなげる。

東京エレクトロンは自己診断機能や学習機能などによる装置の知能化を進める。これら装置と稼働状況の遠隔監視サービス「テレメトリックス」を組み合わせて、設備状況を把握。半導体製造ラインの安定稼働を支援する。

日立ハイテクノロジーズは装置をネットワークでつなぎ、稼働状況や製造条件などを遠隔管理するサービスに着手した。すでに特定の顧客と実証試験を進めており、18年度までに一部事業化を目指す。

日立国際電気はAI技術を活用した成膜装置を開発中。ウエハー上の膜の性能変化などを把握できるようにして、生産性向上や予防保全に役立てる。2―3年後の実用化を視野に入れる。キヤノンも遠隔管理サービスを始めた。パッケージ化して提供することを検討しており、サービス事業の拡大を目指す。

(2016/12/5 05:00)

関連リンク

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン