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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/3/27 05:00)
「(トヨタ自動車の)『カムリ』はスバル車よりはるかにつくりやすい車だった。本当に多くのことを学んだ」。富士重工業群馬製作所長の大河原正喜は過去に米国工場のトップを務めていた頃を振り返る。
【受託製造】
富士重は2005年にトヨタと資本・業務提携を結び、07年から富士重の米国工場にある二つの生産ラインのうち一つを活用してトヨタのセダン「カムリ」の受託製造を始めた。カムリの生産は昨年5月まで続いた。
車の部品構造や工程の作り方、人材教育に至るまで大河原は当時の富士重には足りなかったトヨタの車作りの力を目の当たりにし、一部の手法はスバル車のラインにも取り入れた。次第に「スバル車、カムリ車の両ライン間で従業員がモノづくり力を競うようになった」と大河原は笑う。同じ工場内で“トヨタ”と“スバル”が切磋琢磨(せっさたくま)する環境は、米国工場の技術力の底上げにつながった。
「トヨタさんとの関係はこれからもずっと大切にしていく」。富士重社長の吉永泰之は強調する。富士重とトヨタとの提携領域は少しずつ広がっており、スポーツ車の共同開発のほか、電動車両の開発で協力関係にある。
【“仲間”入り】
18年にはトヨタの環境技術を参考にしながら富士重初のプラグインハイブリッド車(PHV)を投入する。直近ではトヨタと米フォード・モーターが主導するコネクテッドカー(つながる車)関連技術のコンソーシアムに加わった。
「開発資源が限られる当社のような中堅メーカーが単独で戦えるわけがない。今、車メーカーはどちらかというと“仲間”になってきている。昔のような会社が会社を支配する時代は終わった」。吉永はきっぱり話す。
自動運転やつながる車といった新たな競争軸が生まれ、米グーグルやアップルなど車業界以外の企業が台頭している。富士重はトヨタの仲間として、産業の大変革期に向き合っていく。(敬称略)
(2017/3/27 05:00)
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