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[ エレクトロニクス ]
(2017/3/29 05:00)
東芝は半導体メモリー事業の売却先を選ぶ1次入札を、29日に締め切る。10社程度が関心を示すが、時間や出資額、雇用条件など制約は多い。並行して進める米原子力発電子会社、ウエスチングハウス(WH)の米連邦破産法11条の申請に伴い追加損失の発生は避けられない。メモリー事業売却には、1兆円規模ともされる巨額損失の補填の役割がのしかかる。これから本格協議が始まるが、売却までの道のりは困難なものになりそうだ。
東芝は4月1日付で発足するメモリー子会社「東芝メモリ」株式の過半数を売却する方針だ。現在、出資に関心を示すのは同業の米ウエスタンデジタルや米マイクロン・テクノロジーや外資系ファンド、台湾・鴻海精密工業など。日本政策投資銀行や産業革新機構といった政府系ファンドも出資を検討する。
東芝メモリの企業価値は1兆―2兆円とされる。東芝は売却で資金を確保し、海外原発事業からの撤退を目指す。WHは米連邦破産法11条の適用を申請、東芝は29日に取締役会を開き承認する見通しだ。
WHは20年までの完工を目指す米原発プロジェクトのコストを61億ドル(約6732億円)と見積もった。破産法11条適用となれば、同コストに関連する東芝の損失は減少する。一方、東芝はWHに約7934億円の親会社保証をしており、このうち7000億円程度が米原発プロジェクトの顧客の電力会社への保証だ。
WHの破産法11条適用で、すでに発生している工事前受け金などの債務は、東芝が肩代わりして支払う可能性が高い。一方、工事遅延の損害賠償など将来債務への親会社保証は一般的に解除される。しかし今回は東芝が全額を履行するとの見方があり、損失は1兆円以上に膨らむ可能性がある。東芝幹部は「原発関連の訴訟リスクなども踏まえれば、(東芝メモリを)2兆円で売らないとめどが立たない」と漏らす。
(2017/3/29 05:00)
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