[ 機械 ]
(2017/4/20 05:00)
【北京=六笠友和】工作機械各社の中国受注が急伸している。2016年10月ごろから回復に転じ、3月以降の受注が「16年7―9月に比べ2倍になった」(花木義麿オークマ社長)との声が上がる。DMG森精機がフル稼働中の中国・天津工場の増産を検討するなど、各社が急激な受注増の対応に乗り出した。ボールネジなど基幹部品が不足しているともいう。一方、今秋以降の失速懸念もあり、慎重なかじ取りを迫られている。
中国・北京で22日まで催される見本市「中国国際工作機械見本市(CIMT)」が、活況を呈している。「去年の今ごろはキャンセルが相次いだが足元はとてもいい」(森雅彦DMG森精機社長)と、中国の工作機械市場は突如、好転した。同社は「受注が去年に比べて倍に増えた」(同)として、天津工場での増産検討を始めた。
オークマは不調だった16年7―9月期比で倍増だ。回復が遅れていた大物部品を加工する門型加工機も「動きだした」(花木社長)。シチズンマシナリー(長野県御代田町)は受注増を受け、現地工場で自動旋盤を「前年比で2割ほど増産する」(中島圭一社長)計画だ。
自動車向けはこれまでも底堅かったが、今は全業種に広がりがある。好調なのは工作機械だけではない。板金機械でも「中国設計の新型ベンディングマシン(曲げ加工機)がヒットした」(磯部任アマダホールディングス社長)と上り調子だ。
急伸した背景ははっきりしない。「節税対策で不動産に流れていた資金が、政策で生産設備に回っている」(日系工作機械メーカーの現地幹部)との指摘もある。先行きについては、「10月以降は見えない」(工作機械メーカー現地幹部)との見方が多い。
(2017/4/20 05:00)