[ オピニオン ]
(2019/1/28 05:00)
第198通常国会が28日に召集される。2018年度第2次補正予算案と19年度予算案の年度内成立を急ぐ。合わせて、外国人労働者の受け入れ拡大を狙う改正出入国管理法(改正入管法)について、大都市に人材が集中しないような対策などを具体化していく必要がある。
18年の臨時国会で成立した改正入管法では、外国人の受け入れ上限や地方への分散策が盛り込まれていなかった。政府は、昨年末に改正入管法に基づく新制度の詳細を決めた。この中で、19年4月から5年で最大約34万人の外国人労働者を受け入れるとし、地方自治体や企業に準備を促す。これに対し、立憲民主党など野党は、「明らかになっている内容は抽象的で具体性はない」と批判している。
特に今後課題になりそうなのが、外国人材の大都市への集中をどう回避していくかだ。政府は、昨年末に決めた基本方針の中で、必要な措置を講じるとしている。有効求人倍率は47都道府県で求人数が求職者を上回る1倍超で、深刻な人手不足は全国的に広がってきている。しかし、賃金が相対的に高い東京など大都市圏に人材が集中しやすくなれば、地方での人手不足は解消されないままになる。
自治体からは、受け入れ拡大に向けて、一層の財政措置を求める声も少なくない。政府が求めている受け入れ状況の公表も、どの地域単位にするかなどの詳細を詰めていく必要がある。政府が地方への分散化を進めるにしても、「居住移転の自由」や「職業選択の自由」など憲法で保障しており、強制的にというのは難しい。
地方への外国人材の分散化は、地方のメリットを外国人材に知ってもらうという配慮も不可欠だ。地方創生を視野に入れた対策も必要になる。自治体が中心となって、地域の団体や企業、金融機関などと地方ごとにどういった産業で、どんな外国人材を活用して産業活性化を図っていくかという産業ビジョンを描いていくことが重要だ。政府、自治体、団体、企業、金融機関が一体となった総合対策が求められている。
(2019/1/28 05:00)
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