62Complex、交通量、AIで自動解析 センサー活用 データ可視化 街づくりに生かす

(2024/4/8 12:00)

62Complex(シックスティトゥコンプレックス、福岡市中央区、橋本司社長)は、センサー技術を活用し、人の移動や交通量を人工知能(AI)によって自動解析する事業を構築したスタートアップだ。自動運転技術にも用いられるセンサーを交差点などに設置。人や車、それらの流れを認識してデータを分析、可視化・定量化する。都市空間の利活用を最適化し街づくりに生かす取り組みとして進める。

  • 実証実験で信号機の支柱に取り付けたセンサー

事業に用いるのは、独自に開発したAIシステム。道路の渋滞対策や施設内の混雑緩和、街中のにぎわい創出、災害時の避難誘導などに生かすための情報を自治体やデベロッパーに提供する。さらに取り組みの効果を検証し、施策立案を支援する。62Complexは「特定の場所で人や車の量をいつでも分かるようにしたい」(営業部)と説明する。

分析目的の場所にセンサーを設置。集めたデータはクラウド上にいったん蓄積する。AIが人や車の形状を学習、認識し、流れや滞留場所を見える化して解析する。AIは、学習の機会を増やすことで初めて計測する場所でも対象を認識できるようになる。

2022年1月には福岡市東区役所の窓口で実証実験を行った。マイナンバー登録時の人の集中や混雑対応のため人の動きを計測した。そして、ピークとなる時間や動線、集まる場所などを測定して分析し、ガイドやベンチの適切な配置の提案に生かした。

  • AIによる交通量分析の画像

23年9月には屋外の実証実験を行った。半年間、熊本市中央区の繁華街、辛島公園北側道路の歩行者天国時の人流の変化を測定した。実験は局所的な測定ができることが評価された。同年11月には、福岡市のスタートアップ公共調達サポート事業の第1号に選ばれた。同市と交通量調査の受託契約を結び、同市西区の交差点で調査した。

24年1月に実施したのはAIによるリアルタイムでの交通量調査の実証実験。北九州市八幡東区の2カ所の交差点それぞれの街灯に2台ずつセンサーを設置。現地にボードコンピューターを配置し、リアルタイム解析を実現した。

国土交通省は人手不足や人件費高騰を受け、5年おきに定期実施する全国交通量調査のデジタル変革(DX)を進める。

橋本社長は「AIを使った交通量調査ではリアルタイム解析など、さらなる精度向上を目指す」と話している。

(2024/4/8 12:00)

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