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[ 商社・流通・サービス ]
(2016/10/7 05:00)
セブン&アイ・ホールディングス(HD)とエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは6日、資本業務提携で基本合意したと発表した。H2Oの発行済み株式総数の3%に相当する約57億円の株式を相互に持ち合う方向で協議する。両社とも百貨店やスーパーマーケット事業を展開、関西地方で両社の店舗網や商品の活用を図る。1年以内の実施を目指す。
セブン&アイ・HD傘下のそごう・西武が運営しているそごう神戸店(神戸市中央区)、同西神店(同西区)、西武高槻店(大阪府高槻市)の3店舗をH2Oが承継する。大阪市内で会見した鈴木篤H2O社長は「3店舗はドミナント戦略の地域内にあり、ポテンシャルを引き出せる」と自信を見せた。
H2Oグループが推進しているエリアポイントプログラム「Sポイント」を関西圏のセブン―イレブン・ジャパンへの導入も検討する。
都内で会見した井阪隆一セブン&アイ・HD社長は「提携は7月中旬から、私たちがお願いした」とし、H2Oについて「品質や店舗運営に対して高い能力を持っている」と述べた。
■コンビニに経営資源集中
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は6日、不振の百貨店と総合スーパーマーケット(GMS)事業の再建を柱とした、2018年2月期を開始年度とする3カ年計画を発表した。国内外のコンビニエンスストア事業に経営資源を集中する。17年2月期は3530億円と見込んでいる連結営業利益を、20年2月期には4500億円に引き上げる方針だ。
同日開いた会見で発表した16年3―8月期の連結業績は前年同期比で、円高や米セブン―イレブンのガソリン売上高減少が響き減収、そごう・西武やイトーヨーカ堂の減損損失を計上した影響で当期利益が減益だった。
■傘下のそごう・西武、林氏に社長交代
百貨店事業は営業赤字が前年同期比9億円増の18億円だった。業績不振の責任を取り、そごう・西武の松本隆社長が6日付で退任し、後任には林拓二セブンカルチャーネットワーク社長が就いた。
GMS事業を手がけるイトーヨーカ堂は21年2月期までに40店舗を閉鎖し、残したGMS107店舗についてはテナントの導入などの構造改革を進める。
オムニチャネル戦略については「計画と乖離(かいり)した状況」(井阪隆一セブン&アイ・ホールディングス社長)とし、ポイント付与サービスなどで個々の利用者に合わせたサービス提供につなげる。
5月に退任した鈴木敏文氏を中心とした旧体制が残した課題を整理する。北米コンビニ事業ではM&A(合併・買収)も検討するなど、成長分野に経営資源を集中する。
(2016/10/7 05:00)