- トップ
- 自動車・輸送機ニュース
- 記事詳細
[ 自動車・輸送機 ]
(2016/12/1 05:00)
トラック運転手の疲労軽減
《自動車用薄型サスペンションシート》
【物流に安全を】
ニッパツの「自動車用薄型サスペンションシート」は、振動を吸収するシート。2トンクラスの小型トラックに乗るドライバーの疲労軽減と疲れに起因する事故の防止、乗り心地の向上を目指し、いすゞ自動車と共同開発した。配送などで街中を走り回る小型トラックのドライバーの環境を改善し、安全で事故のない物流を支えている。
同サスペンションシートは、ニッパツがバネで培った振動技術と、シート製造のノウハウを投入。「ニッパツの技術を集めた」(伏木田基弘シート生産本部第二設計部長)。
ニッパツは10年以上、サスペンション機構付きのシートを手がけている。従来品は、乗員の姿勢を保ちつつ、振動を吸収するウレタン製のクッションパッドと、パッド下の磁気サスペンション機構で構成。同機構はオイルダンパーやバネなどを用いる複雑な構造のため、大きくて重いし、費用も高い。小型トラックは安価で使えるため、世界的にもユーザーが多い。「物を多く積め、ドライバーにもやさしい小型トラックにするため、安価で薄く軽いシートへのニーズが寄せられ、開発に着手した」(同)。
【ゼロから開発】
場所が必要な従来の機構は使えず、ゼロからのスタートだった。そこで、クッションに用いるウレタンを内製化している技術に着目。ウレタンパッドで機能を代替させることを考えた。パッドに振動を吸収させるには、適度な空気抵抗を持つ構造のウレタンが必要。「最適な発泡条件や分子結合の割り出し、各部門と連携しての量産化への道筋付けに長くかかった」(上原慎二第二設計部主任)。
【品質を追求】
体を支える薄型形状パッドが、乗員の姿勢を保持。同パッドの下の厚型サポートパッドが上下から押しつぶされ、振動を吸収する。従来はシート全体で姿勢保持と振動低減をしていたが「機能をパッドごとに分けたことで、各部が最高品質を追求できた」(同)。
コストは従来比約4割、重さは同1割以上減った。乗員の尻の位置も40ミリメートル低くでき、小型車でも載せられる製品になった。現在は欧米市場など向けの小型トラックに搭載。今後は日本国内での搭載も目指す。軽トラック向けの開発も進め、ドライバーの環境改善にますます貢献する。
(山田諒)
(2016/12/1 05:00)
関連リンク
自動車のニュース一覧
- 富士通テン、20年めど自動駐車システム用ミリ波レーダー開発(16/12/01)
- 塗装装置の洗浄不要に-東メンシステムが供給装置、塗料容器使い捨て(16/12/01)
- 16年超モノづくり部品大賞/モノづくり日本会議共同議長賞−日本発条(16/12/01)
- ダイハツ、「タント」に新型の衝突回避支援システム搭載(16/12/01)
- メルセデス・ベンツ日本、自動運転技術搭載した「Eクラスステーションワゴン」発売(16/12/01)
- 三菱自、会員に充電スポットの全国道路地図を無料発送(16/12/01)
- トヨタ、ブラジルでエンジン増産(16/12/01)
- 欧米自動車大手、急速充電網で合弁設立−EV普及へ協力(16/12/01)
- 経営ひと言/中央自動車工業・坂田信一郎社長「成果に手応え」(16/12/01)