[ ロボット ]
(2017/1/26 05:00)
人手不足や技能伝承の観点から機器類の点検や溶接など手作業に頼っていた業務のロボット化が広がっている。三菱電機は発電所などで使う中・大型発電機の内部を点検できる薄型点検ロボットを2月からインドネシアの発電所の保守作業に使う。鹿島は柱や梁(はり)の溶接にロボットを活用し始めた。
三菱電機が25日、発表した点検ロボットは発電機の回転軸(回転子)とコイルの隙間に入り込み、コイルのくさびなどを打点やカメラで検査する。従来は回転子の引き抜き作業が必要で点検に34日間かかっていた。同ロボットは引き抜き作業が要らず内部を6日間で点検できる。
ロボットの大きさは厚さ19・9ミリメートル、縦400ミリメートル、横300ミリ―480ミリメートル。三菱電機は1000―2000台の発電機の納入実績がある。従来は市販の点検ロボットを活用していたが、厚さが30ミリメートルあり、利用できない発電機が3割ほどあった。それらは現在、人手で検査している。
鹿島は25日、建設現場で溶接ロボットの適用を始めたと発表した。熟練の溶接技能者と同等品質で溶接できる。
使用するのは軽量でハンドリングも良いMHIソリューションテクノロジーズ(広島市西区)製の溶接ロボット。横河ブリッジ(千葉県船橋市)の協力を得て柱や梁の溶接に必要なノウハウを盛り込んだ。鹿島はグループ会社「鹿島クレス」(東京都港区)に溶接事業部を新設。今後、社員を溶接ロボットのオペレーターとして育成する。
(2017/1/26 05:00)