[ 中小・ベンチャー ]

トマス技研、沖縄発の焼却炉を海外離島に拡販 まずバリで普及実証

(2017/4/18 05:00)

  • 海外市場を狙う小型焼却炉

【那覇】トマス技術研究所(沖縄県うるま市、福富健仁社長、098・989・5895)は、国内外の島しょ地域で小型焼却炉「チリメーサー」の販売を強化する。実績がある沖縄と運用面などで共通ニーズを持つ地域で普及を狙う。まず九州の離島から拡販。アジアやハワイ、オセアニアなどにも売り込む。海外販売比率を3年後に50%、10年後に90%とする。

チリメーサーは完全燃焼によって黒煙やダイオキシンの発生を抑える。灰の処理が容易で設置に大型重機が不要など離島のニーズを考えて開発した。廃熱による給湯システムを併設できる。沖縄県内の企業や自治体などに70台以上を納入した。

販売増で現状1億円規模の売上高を5年で3億円に伸ばす。生産能力も現在の月1台から3年間で5倍、10年後までに同20台に引き上げる。輸出増に伴い部品の現地調達も視野に入れるが、沖縄の産業振興のためコア部分は県内製造にこだわる考え。

2016年末からは国際協力機構(JICA)の事業でインドネシア・バリ島の医療施設で10台規模の普及実証が始まった。医療廃棄物処理に成果を上げているという。また沖縄振興開発金融公庫が資本性ローン5000万円を融資したほか、沖縄銀行も連携して同社を支援する。

(2017/4/18 05:00)

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