[ 機械 ]
(2017/7/19 05:00)
牧野フライス製作所は18日、加工時間を従来機に比べ80%削減する5軸立型マシニングセンター(MC)を開発、発売したと発表した。小径工具で立ち壁の付け根部分を加工でき、これまで放電加工機でしていた工程を省ける。同社最大の5軸立型MCで幅1500ミリメートルまでの加工対象物(ワーク)に対応する。価格は4650万円(消費税抜き)。自動車の樹脂金型を中心に世界で年間50台の販売を目指す。
前後方向のY軸を1000ミリメートルとした。ドアトリムやセンターコンソールなどの意匠面になる金型が主な対象。センターコンソールの場合、3軸MCと放電加工機で計約130時間要していた加工時間を、25時間程度に短縮する。放電加工の領域をR0・2ミリメートルの小径ボールエンドミルによる切削加工に置き換える。MCだけの工程は、従来機比25%減の23時間程度になる。
小型、軽量の主軸で高速加工を可能にした。主軸を傾ける5軸機特有の動作で短い工具に対応。高さ200ミリメートルの立ち壁の加工では長さ300ミリメートルの工具が必要だったが半分の長さにでき、切削速度、面品質を高める。
設置面積は同等クラスの3軸MCとほぼ同じ。3方向にドアを設け、作業性も高めた。
(2017/7/19 05:00)