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[ 環境・エネルギー ]
(2017/9/4 05:00)
「第20回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」(経済産業省・環境省後援、日本冷媒・環境保全機構協力)の受賞者が決まった。先駆性、環境影響度、実績、将来性などを審査し、「経済産業大臣賞」「環境大臣賞」「優秀賞」「審査委員会特別賞」の計4件を選定した。受賞テーマ・受賞者は以下の通り。
【経済産業大臣賞】
「PFC等の新型大気圧プラズマ除害装置」カンケンテクノ
電子デバイス製造の化学気相成長装置(CVD装置)は、特殊材料ガスやPFC(パーフルオロコンパウンド)ガスが用いられる。カンケンテクノ(京都府長岡京市)は、大気圧プラズマ式の排ガス除害装置(写真)に独自の水壁反応器を採用し、1台で数種類のガスの同時処理を可能にした。
水壁反応器は内壁に常時、水が流れる構造で、除害の副生物である粉じんが付着しにくく、腐食も生じにくい。反応器の下に設置したタンクの水を循環させて節水している。除害されたガスは出口のスクラバー(スプレー洗浄塔)で冷却後、排気ファンで大気に放出される。PFC除害率は90%以上を保証する。メンテナンスが容易で、短時間で立ち上げ、立ち下げられる。
【環境大臣賞】
「―30℃で検知可能なフロンリークディテクタ」アサダ
アサダ(名古屋市北区)はマイナス30度Cの氷点下で使える赤外線式フロンリークディテクタ(フロン漏えい検知器)を開発した。冷凍倉庫の冷却器や圧縮機からの微量な漏れを検知し、漏えい箇所を特定できる。マイナス30度C対応のリークディテクタはなく、高精度の測定が困難だった。
「リークディテクタLD316C=写真」は、各種電子部品に低温対応型を採用した。リチウムイオン電池も改良。氷点下でも電池が消耗せず、2時間連続使用できる。感度は年3グラムで、フロン全般に対応。新冷媒のHFO(ハイドロフルオロオレフィン)も検知できる。ピークホールド機能と自動感度切替モードを併用し、継ぎ手が多数ある場合でも漏えい箇所を素早く特定できる。
【優秀賞】
「CO2冷媒機器の普及拡大」ローソン
ローソンは新規オープン店舗の標準仕様として二酸化炭素(CO2)冷媒の冷蔵・冷凍システムを採用し、2017年2月末時点で2000店超に導入した。温室効果ガス削減量は年間約6万5000トンに達する。導入店舗は、20年2月末に4000店を超える見込み。CO2冷媒機器の省エネ向上を目指し、ショーケースにガラス製の扉を取り付ける実験も実施。1店舗当たり年間約5000キロワット時の電力量を削減できることを確認した。
【審査委員会特別賞】
「HFO―1234yfを使用した制御盤用クーラ」オーム電機
オーム電機(浜松市北区)は業界に先駆け、新冷媒のHFO―1234yfを採用した制御盤用クーラー「クールキャビ」を製品化した。2016年7月に市場投入し、冷却能力に応じて全25機種を品ぞろえした。この間、累計販売台数は全体の約3分の1を占める。現在はHFC(ハイドロフルオロカーボン)の従来機種と並行販売しているが、段階的に生産を縮小し、同1234yfの機種に一本化する予定。
(2017/9/4 05:00)
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