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[ 科学技術・大学 ]
(2018/3/10 09:00)
重力波観測装置「KAGRA(かぐら)」に設置されるサファイア鏡。表面が赤いのは、ほこりを防ぐ保護膜が付いているため(8日、時事)
東京大宇宙線研究所などは8日、岐阜県飛騨市の神岡鉱山地下に建設中の重力波観測装置「KAGRA(かぐら)」に設置する「サファイア鏡」を富山大で報道陣に公開した。
かぐらは長さ3キロメートルのトンネル2本をL字形に配置。それぞれレーザー光線を鏡に当てて往復させ、重力波が届くと到達時間に違いが生じる仕組み。
鏡は直径22センチ、厚さ15センチメートル、重さ23キログラムで無色透明の単結晶サファイア製。重力波の観測は振動を小さくすることが重要だが、サファイアをマイナス253度まで冷やすことで、熱が生じる際に出る「熱振動」を軽減できる。
研究チームは2019年春までに、トンネルの先端と根元の計4カ所にサファイア鏡を設置する。同研究所の三代木伸二准教授は記者会見で「想像のつかないことが見つかるかもしれない」と期待した。
重力波は、質量を持つ物体が動く時に生じる時空のゆがみが波のように伝わる現象。アインシュタインが予言し、15年に米国などの研究チーム「LIGO(ライゴ)」が初めて観測に成功した。チームを率いた3人は昨年、ノーベル物理学賞を受賞した。(時事)
(2018/3/10 09:00)