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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/5/25 10:30)
米ウーバー・テクノロジーズの自動運転車がアリゾナ州で3月に歩行者をはねて死亡させた事故で、同車両は犠牲者となった女性を含め、行く手の障害物との衝突を避けるため停止するようプログラムされていなかった。連邦当局が指摘した。
米運輸安全委員会(NTSB)が24日に公表した事故調査の暫定報告書によると、アリゾナ州テンピで実験中だったウーバーのスポーツタイプ多目的車(SUV)は、夜間に横断歩道以外の場所から道路を横切っていた女性をセンサーで感知し、最終的に「緊急ブレーキ操作で衝突を緩和することが必要」と結論付けたものの、システムはブレーキを作動させることができなかった。
「ウーバーによると、車両が不規則な動きをする可能性を低下させるため、コンピューター制御されている状況では緊急ブレーキ操作は有効にされていない」と同委は説明した。
ブレーキを踏む責任は、自動運転車をモニターするため運転席に座っていたセーフティードライバーに残された。ウーバーのコンピューターは同車両が1.3秒後(約25メートル先)に歩行者をはねると結論付けたものの、セーフティードライバーに警告せず、当時そのドライバーも道路から目を離していたという。
NTSBの暫定報告書は、自動運転システムだけでなく、衝突時のセーフティードライバーや歩行者の行動に関する複数の疑問を提起した。歩行者は体内から薬物が検出されており、車の往来を予期していなかったとNTSBは指摘。同報告書は衝突原因を明確にしていない。
ウーバーは23日、この事故を踏まえてアリゾナ州での自動運転試験を恒久的に中止すると発表した。
NTSBによると、テンピでの衝突事故を起こしたボルボのSUV「XC90」には自動ブレーキシステムを作動することが可能なセンサーが搭載され、ドライバーの認知度を感知する機能もあったが、自動走行モードで運用中にはこれらのシステムは常に無効にされていた。(ブルームバーグ)
(2018/5/25 10:30)