[ 人物 ]
(2018/7/23 05:00)
「製品分析」情熱もって
東京応化工業の三宅久美子さん(28)は、半導体材料や高純度化学薬品の分析を行う。製品検査だけでなく、開発部門が合成した新原料の構造分析や原料に関するクレームの原因調査も担当する。「検査担当として正しいことができているか自分に問いかけている」と日々情熱をもって業務に取り組む。
第一線で活躍する技術者に
ガスクロマトグラフィー質量分析計という装置で検査・分析しています。原料開発では意図した構造ができているか、クレーム対応では問題が発生したロットとそうでないロットの違いは何かを調べます。半導体の進展は早く、常に新しい技術や知識を求められます。不純物を例にとっても、これまで見えなかったものを見えるように精度を上げなければいけません。
子どものころから泊まりがけの農業体験など両親に多くの経験をさせてもらったので化学や物理、生物など幅広い分野に興味を持てました。進路を決める際、英語が得意だったので文系に行くか迷いましたが、有機・無機・物理・電気化学が学べる茨城大学工学部生体分子機能工学科へ。4年生で研究室に入り「錯体の合成と触媒反応の効率や反応」を研究し、1年では物足らず大学院に進みました。この頃おぼろげながらも化学を仕事にしたいと思い始めました。
入社して5年が経過し、先輩に仕事を依頼する場面も出てきました。自分で責任を持たなければいけない範囲が増えてきたと認識しています。業務は最終的に利益につなげる必要があります。チームで最大限のコストパフォーマンスを追求することも仕事だと思っています。
10年後は結婚したり子どもが生まれたり生活環境が変わると思いますが、第一線で活躍できる技術者でありたいです。海外拠点もあるのでチャンスがあれば海外で仕事をしたいです。(文=川口拓洋、写真=編集委員・木本直行)
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◇東京応化工業 検査部開発検査室技術主任
(2018/7/23 05:00)