[ オピニオン ]
(2018/7/23 05:00)
帰宅途中の特急電車内、スーツケースに手をかけた中東風の若い男性に英語で話しかけられた。「この電車は成田空港に行くのか、あと何駅でどれくらいの時間がかかるのか」。終点が成田空港で十数駅は止まること、1時間以上かかることを伝えた。
やれやれ、簡単な質問で良かったと胸をなで下ろしていると、ある不安が頭をよぎった。成田空港は第1と第2ターミナルがあり、それぞれに降車駅がある。先に話をした若者はどこの航空会社を使うのか。
心配になり聞いてみると、カタール航空だった。慌てて降車ドア上部に貼ってある空港の発着案内を確認すると、カタール航空は第2ターミナルで、降車駅は終点手前の空港第2ビル駅だった。新聞記者にあるまじきミスリードだ。
ここで冷や汗をかいた。一つ前の駅という英語表現が浮かばない。「前だからビフォーか!?」。案内表示を指さし、身振り手振りを交えて、なんとか理解してもらえたようだ。
試みにスマホで検索してみると、「ワン・ストップ・ビフォー・ナリタ」が正解。2019年のラグビーW杯日本大会、20年の東京五輪・パラリンピックを控え、外国人に道順を聞かれる機会は確実に増える。とっさの英会話力を磨きたい。
(2018/7/23 05:00)