[ 機械 ]
(2018/7/27 05:00)
中身も大事だが、見た目も大事―。「第48回機械工業デザイン賞」を受賞した19製品は、最先端の機能や使いやすさはもちろんのこと、見た目の美しさやシンプルな外観が際立っている。これら優れたデザインを生み出した各社の取り組みを紹介する。
【オークマ/5軸制御立形マシニングセンタ「MU−S600V」 搬送ロボ不要、ライン柔軟に】
「工場の生産ライン全体をデザインできる」―。千田治光取締役は5軸立型マシニングセンター(MC)「MU―S600V」がもたらす効果を説く。加工対象物(ワーク)の搬送ロボットが不要になるという特徴により、生産ライン全体を改善する。
搬送ロボットの機能を内包しているMCだ。2台、3台と複数台を連結して使用し、ワークを受け渡す。1台目で、加工したワークを載せたテーブルが右側に移動。シャッター越しに2台目にワークを渡して加工し、3台目に移る。
製品デザインの工夫で、ワーク搬送の自動化を実現した。主軸を中央ではなく、やや左側に置いた設計により、加工と受け渡しのバランスを良くした。宮脇祐輔商品開発部第四商品開発プロジェクト副参事は「トライアンドエラーを繰り返した」と感慨深げだ。
搬送ロボットの場合、MCの前にロボットと走行レールが必要になる。それに比べて、スペースを6割削減できる。シャッター越しにワークを受け渡すので、切り粉や切削液が外に出るデメリットもない。
そもそも、「中小製造業ではロボットの導入自体が難しい」(宮脇副参事)。投資費用やティーチングの手間がかかるためだ。MCだけで済む分、生産ラインのレイアウトの自由度は高まる。連結使用の効果も大きい。開発・試作や多品種少量生産では1台、量産では複数台と使用台数を変えることで、生産変動に柔軟に対応できる。横幅が1400ミリメートルと短く、多数を連結してもスペースを取らない。
効果は生産ラインのデザインにとどまらない。ワーク搬送を自動化し、作業者の負担を減らせるため、「働き方改革につながる」(家城淳副社長)。工場のモノとヒト両方に貢献できる。
製品デザインの工夫でワークの自動搬送を実現し、工場全体のデザインを改善する。幅広い視点でデザインをとらえた製品だ。(名古屋・戸村智幸)
(2018/7/27 05:00)
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