[ オピニオン ]
(2019/3/21 05:00)
ランドセルはいつ買うか?サクラ咲く前の今なのか―。ランドセル工業会の調べによれば、購入時期は8月が全体の19・2%と、最も購入者が多い。これは、お盆の帰省時に入学児童の祖父母の財布が当てにされるからで、就学直前の2月以後に買うケースは3・1%に過ぎない。
デザイン・容量も教科書の判型の大型化で変わってきた。元々、オランダ語の背嚢(はいのう)がランドセルの語源だ。明治期に学習院初等科で採用され、日本独自の通学スタイルとして進化してきた。
革製が丈夫で良いとされていたものの、人工皮革の登場で材料も変化した。牛革だけでなく、豚や馬も利用される。ただ、出口を考えると豚革には分が悪い。
リサイクル社会の進展で、使い終わったランドセルが海を越えるケースもあるからだ。中でも、アフガニスタンに寄贈する非政府組織(NGO)も存在し、現地では女児の初等教育機会をつくっているという。その際、イスラムの戒律から豚革は回避される。
“天使の羽根”などとネーミングされた軽量ランドセルは、人気が高い。背負うことで負担も軽減でき、しかも両手を使うことができる背負式の通学かばんは世界でも珍しく、ランドセルは「日本独自の文化」と言える。
(2019/3/21 05:00)