産業春秋／電子書籍

趣味などの関係で２０―３０代の友人が増えた。私が先輩にふさわしいかというと自信がない。逆に教えられることの方が多く、少なくともＩＴ機器に関して彼らは先生だ。その彼らの助言から１年ほど前に電子書籍リーダーを導入した。

紙媒体に強いこだわりがあり、最初は抵抗もあったが、使い始めると便利で読書量も増えた。２００グラム以下の本体に何冊も本が入るので、体調や気分に合わせて読み分けられるのが大きい。スマートフォンで読んでいたこともあったが、専用端末だと目も疲れない。

これまでは小説中心だったが、若い友人の影響でビジネスや自己啓発関係のものも読むようになった。特に就職氷河期を乗り越えてきた彼らは、こちらが恥ずかしくなるくらい勉強していることも分かった。

電子書籍化されていないものも多く、書店に足を運ぶ機会も増えた。紙媒体で辞書を引いたり、新聞を読んだりする時と同様に、目当ての本の周りにも目が入るため、おもしろい本との出会いも増えた。

それ以外にも彼らのアドバイスで、最近、格安スマホに切り替えて、利用料金が半額以下になった。元手もできたので、日ごろの感謝を形にするため、たまには私の方から食事に誘ってみよう。