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(2020/3/9 05:00)
「太陽電池か色素」強く志望
(総合1から続く)今の道に進むきっかけは、高校生の時に興味を持った環境問題でした。テレビのニュース映像だけでなく、身近でも雪が減っていて、危機感を感じました。太陽電池をやりたくて東京理科大学工学部、同大学院に進み、「色素増感太陽電池」の色素を研究。化学の面白さに引かれました。化学構造の小さな枝分かれ部分(置換基)が変わるだけで、いろいろなものができるんですよ。入社面接の時にも「太陽電池か色素をやりたい」とアピールしました。研究を通じて住みよい社会に貢献したいです。
最初の3年間は福岡事業所(北九州市八幡西区)で、工場の人と打ち合わせしながら新素材を量産するためのスケールアップ検討を担当しました。今の色素研究がうまくいけば福岡に持っていけるので、頑張ります。
現在の職場は広い実験室に2人だけ。実験はたくさんできますが、もっと人とのつながりがほしいです。勤務するサイエンス&イノベーションセンター(横浜市青葉区)には多様な研究者がいます。新設される研究棟は、コミュニケーションしやすい造りになるので、異分野の人たちと連携できるのが楽しみです。
入社して、社内に蓄積された大量の色素情報に驚きました。歴史の長い会社の良さです。古くからの技術蓄積を今の目で見ると違う価値があります。どのようにデータにまとめ、マテリアルズ・インフォマティクス(人工知能を使い素材開発を効率化する手法)に活用するか。やりたいことの一つです。
仕事以外も好きな事はたくさん。本格的な登山に、冬のスキー。会社の軽音部にも入っています。登山は頭を空っぽにできる時間です。(文=梶原洵子、写真=成田麻珠)
◇三菱ケミカル サイエンス&イノベーションセンター
(2020/3/9 05:00)