(2022/2/21 23:59)
米オートデスクがブランドを刷新し、グローバルなプラットフォームカンパニーへの転換を加速している。デジタル化が企業の生き残りの条件である現在、製造業における2次元(2D)図面の3次元(3D)データ化などデジタル化に豊富なノウハウを持つ同社は、業界や企業、部門・部署をシームレスにつなぐソリューションを提供。ものづくり企業による新しい付加価値、サービスの創造を支援する。同社の製造業グローバルマーケット開発&戦略シニアディレクター、デトレフ・ライヒネーダー氏にその戦略を聞いた。
―2021年にオートデスク社がブランドを刷新した背景と狙いを教えてください。特に製造業に関連する部分があるのでしょうか。
「当社は今後、プラットフォームカンパニーとして事業を展開していく。それに伴ってブランドを昨年、変更した。ユーザーや業界の将来を見据えて、プラットフォーム展開を始めたということだ。我々の業界でも多くの企業がプラットフォームビジネス へと舵を切っているが、それは今こそ変革を遂げないといけない時代であるということを痛感しているからだ。未来に向けて成長し、持続可能な事業を展開していくにはプラットフォーム化が必然と感じている。その理由をいくつか説明する。」
「製造業の皆様は顧客の要望に応えることでよりよい製品を提供し企業の成長、利益の拡大につなげ、世の中、企業、従業員に対して、よりよい価値を提供することに重きを置いている。
ただ2022年現在、それらはうまくいっていないのかもしれない。実際に45%の新製品が平均1カ月遅れて市場に展開されている。なにか計画やプロセスに問題があるのではないか。72%の新製品が利益目標を達成できていない。利益達成を見込んだ計画自体が間違っていることになるのではないか。過去10年間の製造業全体の生産性は年平均3%程度しか伸びていない。歴史的にも最も低い水準だ。日本やドイツなどの企業は成熟期を迎えているが、一番大きな課題は豊富なスキルを持つ人材の不足だろう。製造業における人材不足は500万人にも及んでいる。同時に、この不足する人材をどこかから持ってくることができないことも分かっている。また、これも問題だが、各企業、または社内の各部門が小島のような形で、それぞれに違うプロセスやツールを使用して 事業や業務を進めている。紙ベースから、エクセルや3D CAD、CNCマシン用のプログラミングツールなどでデジタル化してきたが、これらの大半はまだ孤立している。各企業はこれらをつなげることが重要だと分かってきた。ワークフローがつながっていないと言うことは、生産性のない作業や価値を生まない作業など、多くの無駄な時間が生まれる。情報を探したり、データを変換したりという、やり直しや繰り返しも多く発生している。こうした問題をPLMやPDMで解決しようとしたが、うまく運用できなかった例が 数多くある」
「そこで登場したのが、PDMやPLMを含める形でのオープンプラットフォームという考え方だ。この大きな土台のうえでは情報がシステム間を自由に流れることができる。いままで縦割りの中で孤立していた様々な情報を解き放つことができる。いい例がスマートフォンだろう。電話やカメラ、音楽プレーヤーの機能がスマートフォンの上で融合した。さらに配信サービスを利用することもできる。一つのタスクしかこなせなかったツールが、つながったプラットフォームで利用できるようになった。この例で、我々が言うところのプラットフォームをご理解いただけると思う。」
「オープンという部分も大切だ。私たちだけで全ての問題に解を提供することはできないので、専門分野の方々がプラットフォームに参加し、その中でソリューションを編み出していけることが可能になる。一番重要なことは、こうしたソリューションを通して、顧客が成果をあげることができるようになることだ。単にデータとつながる、管理できる、自動化できるということでは意味が無い。成果を共通のテーマとして、いろんな人たちが情報、ソリューションを共有できることが、我々のプラットフォームのコンセプトでもある。こうした理由で当社はブランドを大きく刷新し、プラットフォームカンパニーとして事業展開していくいことにした。そうでなければ顧客に未来の道筋を立ててもらうことが難しくなる。新たな形で顧客に成功を享受してもらいたいと考えている」
―製造業のユーザーがプラットフォームを必要としている、またはプラットフォーム化で成功した事例があれば教えてください。
「いろんなケースがある。例えば、カーテンウォールや建築関連の設備を扱っているBenson Industries社は、今まではさまざまなサプライヤーの製品を現場で組み立てていた。全てのメーカーのシステムが違うため、メールやFTPなどでデータを共有するという非常に煩雑で非効率な作業になっていた。Benson Industries社は当社のプラットフォームの活用を決め、サプライヤーの開発プロセスや製造プロセスをはじめとする全てのデータを共通のプラットフォームで共有する方法に変えた。すべての人々が共通のデータを見ることでコミュニケーションがスムーズになり、遅延やミスも改善したほか、解釈の違いなども解消した。実際に遅延は50%、ミスは40%削減する大変な効果をあげ、生産性が劇的に改善した。他には、モジュールで橋を組み立てているMabey Bridge社の例がある。彼らは溶接やボルトで建設される機械的な橋を作っているが、すべての橋の仕様は異なるので、エンジニアリングのルールをプラットフォームに載せて開示した。この情報によってを顧客自らが橋を構成できるようになり、迅速な作業が可能になった 。例えば従来は数日かかっていた見積もりを分単位で出せるようになった。プラットフォームという概念がなければ難しかっただろう。データだけでなくルールも共有できる。Mabey Bridge社はこの点で他社と差別化でき、優位に立つことが出来るようになった」
―製造業のお客様への具体的なアプローチを教えてください。
「第一はメッセージの変更だ。従来まではそれぞれのプロダクトに焦点をあててメッセージを送っていたが、これをプラットフォームという角度に変更した。次に、当社は製造だけでなく、メディア&エンタテインメント、自動車、建設などいろいろな業界をソリューションで支援しているが、これを一つのプラットフォームに融合したことで、業界が違っていても共通のデータを活用できるようになった。また、今までは機能や性能に関する発信が主体だったが、今後はどれだけ顧客が成果(アウトカム)をあげられるかという点に力をいれている。どれだけ機能が拡張したかよりも、顧客が本当に解決したいと思っている課題を支援し、どれだけ成果を打ち立てるか、というようにだ。顧客自体も立ち止まるわけにはいかない時代、変わらなければいけない時代になっており、プロセスを変えて合理性を上げていかなければならない。あくまで顧客主体、顧客中心の成果に力点を置いている」
「異なる業界を融合するプラットフォームについて補足をする。プラットフォームは、業界に横串をさして情報を駆使したソリューションを生み出す。横断的でなければいけないのが重要なポイントだ。業界ごとのストーリーとして顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)の旅路にプラットフォームを提供して、顧客に方向を指し示していく。DXに関して言うと、従来までのシステムやプロセスをいかに改善し、目標を達成していくかが重要になる。先に示した全てが分断されているプロセスでは、それぞれの業界や部門の縦割りの中で最適化は図れていたが、情報が流れず共有化できていなかった。例えば設計の2D/3Dの場合だと、今でも2Dで設計をおこなっている企業はかなりある。自動車業界では部品メーカーや完成車メーカーなど役割分担があるが、同じ3Dのデジタルデータを計画からエンジニアリング、製造まで使うことで一貫性が生まれ、大幅に効率があがる。時間も予定内に収まるし、予算も少なくてすむ。なぜなら工場の建物 、製造ライン、設置される機械など、すべてのデータが繋がるデジタルファクトリーができるからだ。これはデジタルトランスフォーメーションの第一歩として良い例だ。そうしたことでデータの使い方を大きく変えると、大量生産型のカスタマイゼーション、いろんな業界を巻き込むデジタルコラボレーション、柔軟な生産体制、新たな価値を提供するスマートサービス、そして顧客の経験を変えることができる。プロダクトだけではなくその上にサービスを提供することができるようになるのが次のステップのDXだ。DXは旅のようなもので、どこから始めるか、どんなペースで進めたいかは顧客それぞれによって違う。重要なのは投資に対する収益性がどのくらいあがったかを一つ一つおさえていくことだ」
―DXの動きは世界に広がっているが、オートデスクから見たDXを阻む課題はなんですか。
「一番大きな課題は従業員のマインドセットをいかに変えるかだと思う 。さまざまなイノベーションがうまくいかなかった事例の背景には、働く人たちがなおざりにされたことがあるのではないだろうか。企業が大きな変革を遂げるには、そこで働く従業員が納得し、自分事として歩み出すことが大切だ。ドイツも日本と同じ問題を抱えている。多くの熟練したスキルをもった人たちが定年を迎えている。どれだけ有能な人材を採用、確保できるかが企業の生命線になる。そのためのマネジメントの変更をどれだけうまくできるか。それをうまくやるためにも働く人たちが納得して一緒に歩み出すことが重要になる。2つ目の大きな落とし穴は、複雑すぎるものを始めること。実務的でステップ毎に測定・評価可能で、ROI(投資利益率)を計れる形で進めなければいけない。過去30、40年の変革はトップダウン的なものが多く、3カ年計画、5カ年計画とかすごく複雑なものだった。実際になにかを成し遂げようとしても時間のスパンが長く、できた時には世の中のペースの方が早くて役に立たないということも往々にしてあった。複雑に作り込みすぎないで、実務的にやれるところからやることが重要だ。3つ目は、待っている時間、様子見が長すぎること。何かが変わる、変化の動きが出たらすぐに人と実務を加味して実行にうつさなければいけない。自動車業界が良い例だろう。新たなプレーヤーが参入して電気自動車(EV)化が急速に進んでいる。老舗の自動車会社は待ちすぎた感があり、ぎりぎりのところで生き残れるかどうかという状況にある。エンタテインメントやITなど自動車に搭載されている要素は、すでにIT業界が参入しており、瀬戸際まで追い込まれていることが分かる。変化にすぐに反応し、いち早く実務的に変わっていかなければいけない。今回の新型コロナウイルスのパンデミックに教訓があるとすれば、少なくとも製造業には俊敏性(アジリティ)が求められているということだろう。世の中にはそうした事態に迅速に対応できる企業がいるものだ」
―カーボンニュートラル、SDGsといった大きな潮流がありますが、製造業界にどのような影響があると思われますか。
「サステナビリティはブランドにとっても重要な意味合いを持っている。特に我々の顧客のエンジニアリングは、プロセス、材料、生産などにおけるカーボンフットプリントという点で重要な役割を担っている。製造という観点ではプロセスの中で多くの二酸化炭素(CO2)を排出しているので、このプロセスを最適化し、新たな効率性をもたらせば、CO2排出量を下げることができる。オペレーションという点では、実際に製品をつくって、さらに廃棄するという流れの中で、寿命をまっとうした製品をリサイクル、リユースできれば循環型経済に貢献できる。こうした取り組みを本当にきちんとやるには専門家、専門的な知識を持った人と一緒にやらなければ実現できない。私たちは幸い、いくつかの素晴らしい会社とパートナーシップを組んでいる。
そのうちの一つのMakersite、エンジニアリングをする際に、BOMの末端の機器や材料まで含めて、どのくらいCO2を排出しているかが分かる技術を持っている。人工知能(AI)を使っているのでどんどん学習し、どんなCO2の影響があるのか、どこで起きるのか学んでいく。エンジニアは実際に仕事をしながらどんな影響を与えて、どのように寄与しているかを理解することができる。他にはProModelともパートナーシップを組んでいる。工場の製造プロセスを検証して省エネルギー化する技術を持っている。新しいプロセスを使った省エネの実績、CO2排出の削減量を知ることができる。この2社とのパートナーシップは我々に重要な意味をもたらすと思っている。サステナビリティに必要な専門的な知識をプラットフォームで共有し、最終的に顧客に大きなメリットをもたらすことができると確信している」
―オートデスクのプラットフォーム のユニークさや特徴を教えてください。
「1つ目はスピード。世の中の変化に俊敏性を持ってついていくアジリティが重要になっているが、早く適応することで迅速に事業を規模拡大・売上拡大して収益につなげていく。2つ目は柔軟性。早いだけで柔軟性のないものではダメで、アジャストしていく必要がある。顧客にはいま使っているシステム、バックオフィスがあるが、それを全部捨てて新しいものに置き換えてほしいとは求めない。必要なことは今あるシステム、バックオフィスをニーズに応じてどう適応するか、そこからカスタマイズできることが大切だ。企業は迅速かつ柔軟であることを求められている。レジリエンス、効率性、有能な人材の確保といったことも柔軟に対応する必要がある。最後はリミットレス。メカ設計、電気設計、シミュレーション、製造など、それぞれの専門領域、分野を制限無しにうまく横断できることだ。一つの産業の中でも建物、製造ライン、マシン、コンポーネントなどを効率的に活用でき、ソリューションを出していくことができる。さらに重要なのはそれを全て包含できるエコシステムをつくることで、さらに効率があがっていく。リミットレスであることで、制限なく成長ができ、実務的にどこでも拡張することができる。データの共有やコラボレーションなどのワークフローの中で、プラットフォーム上に自分たちの専門知識を積み上げて活用したり、ひいては顧客開示したりすることも可能になる。「速さ」「柔軟性」「リミットレス」の3つが我々のプラットフォームの大きな差別化要因だ」
―日本のユーザーへのメッセージを聞かせてください。
「日本は個人的にも大好きで何度も訪れているが、私の住んでいるドイツに親近感を強く感じる国ではないかと思う。エンジニアリングに対するこだわり、制度、歴史などよく似ていることがある。もう一つ良く似ているのは、保守的であることだろう。これは両国にいえるが、今のこれだけの早い変化の中ではリスクになる。今はアジリティが大切で世界は待ってくれない。そのためにもイノベーション、柔軟性が必要だし、とにかく今できることに着手してすぐに行動に移すことが求められている。そのために喜んで支援していきたい。いまこそ行動を起こすべき時で、何もしないことによるリスクは、何かをすることによるリスクよりはるかに大きい」
オートデスク
製造業向けソリューション開発本部、日本マーケット開発担当
ジョン・ウォンジン
日本製造業のDX実現をサポートするオートデスク
日本の製造業は、人手不足、生産性の低下、設備の老朽化など、さまざまな問題を抱えています。それらの課題を解決するといわれているものがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。DXが社会の全ての局面で必要とされていると認識していますが、私たちは特に日本の製造業においては欠かせないと認識しています。多くの製造業関係者の方々も、同様の認識だと思っています。しかし、実際はなかなか進んでいません。3D設計を例にすると、日本の製造業では3Dだけで設計している企業は17・0% 、3Dと2Dは44・3%、2Dだけで設計している企業は26・5%で、依然として2Dが多いのが現状です。3Dと2Dを併用している企業でも、主となるのはオートデスクのAutoCADなどでの2D設計という印象です。海外では2D設計を続けているところは少なく、残念ながら大きく遅れているというのが実情です。ものづくり白書などにも書かれていますが、設計データを3D化し、そのほかのデータに紐づけて、プラットフォームで設計以外のエンジニアリングチェーンとサプライチェーンをつなぎ 、新しい価値を生んでいくことが求められています。まさしくこれが、今日本の製造業に求められているDXだと思います。これらを踏まえて、私たちも3D化がベースとして、お話をさせていただいています。設計の3D化は設計力の向上をもたらすと言われていますが、実は3Dと2Dの併用でも設計力が向上することが分かってきました。将来的には3Dへの完全移行が望ましいですが、実情に合わせて、まずは3Dと2Dの良い点をうまく組み合わせることでも効果が得られると考えています。
私たちの主な仕事の一つは、強い設計開発部門をつくるソリューションを提案することです。そのためには4つのポイントがあります。1つ目は、2Dをメインで運用されている方々に対しては3D化を勧めることはせず、自社の強みである従業員のスキル・ノウハウや既存の設計資産を活用しながら、 新しいことに挑戦できる環境をつくること。それぞれの企業の実情にあったペースで、設計者やエンジニアなど全ての従業員がついて来られるように移行が重要です。当社は2D設計ツールとしてシェアトップの「AutoCAD」を有しているほか、製造や建築など業界別の3DCADも持っています。また、製造業向けの3D CADとしてはデスクトップ用の「Inventor」、クラウド対応の「Fusion 360」もあり、それぞれの目的や現状に合わせてソリューションをご提案できます。
2つ目は3Dデータを設計部門だけでなく、全てのビジネスプロセスで活用して新たな価値を生み出すこと。3D化は設計力向上だけではなく、目的はビジネスの価値を創造することです。3DCAD導入が目的ではなく、売上向上や利益拡大などの成果のために3D化を進めることが重要です。例えば、売上向上のために魅力的な3DCGの販促資料を作る必要がある場合、設計データが3D化されているとスムーズに作成できます。このようにやりたいことがあるから3D化するという考え方が、3D化を成功させるための秘訣でもあります。当社では設計のためのCADだけではなく、設計データを活用できる解析やCAMなどの製造プロセスのツールも提供しています。設計で作ったデータを製造でも活用することで、設計変更があった場合に製造データも自動で変更されるような一気通貫のソリューションを組むことができます。
3つ目は不確実性の高い時代に対応し、内部・外部のビジネス環境の変化に柔軟に対応可能な体制を整備すること。同業他社ではまだ永久ライセンスモデルのところも多いですが、当社は数年前にサブスクリプションビジネスへ切り替えました。初期導入コストを低く、設計者の人数に応じてライセンス数の変更も可能です。また、コロナ禍でクローズアップされている働き方改革にもクラウドによるCADなどで対応することができます。こういった社内の変化、社会の変化に柔軟に対応するソリューションが必要とされています。
4つ目は現在の課題だけをフォーカス・解決するのではなく、新しい時代・ものづくりの未来を見据えた環境づくり、準備をすること。クラウド、人工知能(AI)、3Dプリンターなど、これから変わっていく世の中やものづくりを見据えることが大切です。例えば3Dプリンターで製品を量産化する時代になったら、設計の手法・考え方も変わります。AI、クラウドでも同様です。この分野では「ジェネレーティブデザイン」というものを提案しています。設計者が設計の要件や条件、制約などを入力すると、クラウド上のAIのアルゴリズムがたくさんの答えを提供するテクノロジーです。コンピュータが全部設計して、設計者がそれを選択する時代が来るかもしれない。当社ではこうしたさまざまなことを考えながら、設計や製造の環境を整えていくことを提案しています。
日本で3DCADの導入が始まったのは30年ほど前ですが、その時にはハイエンドの製品しかなく、ハードウエアもソフトウエアも高価なものしかありませんでした。このため購入できるのも大手企業が中心でした。その後、90年台からミッドレンジのCADが普及しましたが、当時はハイエンドとミッドレンジの間に大きな差がありました。現在ではその差は小さくなっていますが、かつて導入したハイエンド製品を使い続けている企業も多く、無駄なコストがかかっていることも少なくないです。当時の流れでCAD、CAM、解析ツールを、それぞれ別に用意していることもあると思います。DXでは設計者ひとりひとりがデジタルツールを使える環境をつくらなければならないこともあり、DXを民主化しなければいけません。当社ではオールインワンパッケージをコンセプトにしており、かつての製品にくらべて大幅に低コストで利用可能です。
日本の製造業におけるDXは海外と比べて遅れています。実際に海外の社員と日本の製造業について話をすると、驚かれることも多いです。ファックスをまだ使用していることに驚かれました。こうした日本の特殊な状況を踏まえて、それぞれにあったソリューションを選び、DXの旅を始めることが大切です。例えばいま2Dで設計してファックスを使用している会社であれば、部分的な3D化でも良いのでまずは3Dに移行する。そして移行のロードマップを我々と一緒に作り上げましょう。そして3Dデータが集まったらそれを活用して自動化、さらに製造プロセス、サプライチェーンまで展開していく。それができたら、異業種との融合や協業といったものづくりの未来に一歩ずつ進む。一足飛びに完全3D化やデジタルツインというのではなく、こういった着実に一歩ずつ進むDXの旅を我々は一緒に作り上げ、サポートしていくことができます。
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