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(2022/4/11 00:00)
スマートファクトリー向けプラットフォームの提供を目指す 板金加工のグローバルネットワークを活かし日本市場を深耕
スイス板金加工機械大手バイストロニックの日本法人である、バイストロニックジャパンは2016年の設立以来、企業価値である「Commitment(コミットメント)」「Openness(オープネス)」「Innovation(イノベーション)」に基づき、ファイバーレーザ加工機やプレスブレーキ、それらに関連するオートメーションシステム、ソフトウェアソリューション、サービスを提供している。
バイストロニックジャパン代表取締役のセオ・ノルベルト氏に、近年のデジタル化や機械の技術革新を背景とした板金加工分野のデジタル・プロセスへの対応などについて聞いた。
―板金業界の現状について、どのように見られていますか。
「板金業界は、世界的には、緩やかな成長を見せている。報告書によると、板金業界は今後も拡大を続け、2031年末には市場規模4,960億米ドル以上(56兆円以上)に達し、この10年間で1.7倍に拡大すると予想されている。アジア太平洋(APAC)地域では、板金業界が徐々に回復し、活気を取り戻している」
―貴社のビジネス概要と強みについて教えてください。
「バイストロニックは、板金加工のグローバルリーダーとして、レーザ切断加工、曲げ加工、チューブ加工、自動化、ソフトウェア、サービスからなる板金加工ソリューション一式を提供している。当社の最大の強みは人材にあり、革新、透明性、コミットメントを会社のスローガンとして掲げている。このコア・バリューに沿って、社員はビジョンを実現することができ、全員が積極的に貢献しようとしている」
―貴社のファイバーレーザ加工機の優位性についてはいかがですか。
「当社では、高品質でエネルギー効率の高い強力なレーザ光源を豊富に取り揃えている。当社のファイバーレーザ加工機は、さまざまなサイズのテーブルフォーマットと最大15kWのレーザ出力構成で、あらゆるお客さまの要求に対応している。新たに発売されたByCut Smartは、XXLサイズのテーブルフォーマットにより高い生産性と性能を、お求めやすい価格で実現している。最大6.2×2.5メートルの長さのカットが可能で、最高の精度と高速性を誇る最新加工カッティングヘッドを搭載していている」
「さらに、ByStar Fiberシリーズから新製品20kWが登場しファイバーレーザ加工機は新たな次元へと進んでいる。最大50ミリメートルまでの軟鋼やアルミニウムの加工が可能になる」
―プレスブレーキや、サービスについてはどうでしょうか。
「堅牢で信頼性の高いプレスブレーキは、独自の油圧式ダイナミッククラウニング機構により、曲げ加工時の変形を効果的に排除し、優れた曲げ精度を実現する。新製品のByBend Smartは最もコンパクトで、さまざまな厚さや品質の中・小型部品を高速かつ正確に曲げ加工できる」
「サービスにおいては、ケアプログラムによる予防的なケアと360°アドバイザーによりメンテナンスを予め予測し、アップタイムの最大化を図る。また、お客様が機械を最大限に活用できるよう、トレーニングも行っている」
―今後、板金加工機ではどのような製品開発や技術開発を進めますか。
「私たちは、板金市場においてスマートファクトリーが今後のキーになると考えている。スマートファクトリーとは、機械、オートメーション、ソフトウェアを組み合わせて、インテリジェントなコンポーネントの柔軟なネットワークを構築する、スケーラブルなシステムソリューションである」
「当社は、新しい時代のために真の "スマートプラットフォーム"を提供するべく、世界クラスの機械、自動化された生産セル、インテリジェントなソフトウェアを継続的に開発している。この分野では、スペインの子会社のKuragoとSmart Factory Suiteの展開により、将来的に重要となる「ソフトウェア」の柱を構築する体制がすでに整っている。私たちの最終的な目標は、お客様のニーズに応える「ワールドクラスの製造」ソリューションを提供することである」
―今後、日本ではどのようにビジネス展開していきますか。
「新しい市場に進出し、日本のお客さまのニーズに応える幅広いソリューションやサービスを提供することを目指している。具体的には展示会、オンライン・オフラインイベント、デジタルプラットフォームを通じて、バイストロニックを紹介することで、新規および既存顧客との強固で持続的な関係を築いていく。日本でのビジネスは今後も拡大余地があり、チーム一丸となって取り組んでいく方針である」
プレス技術4月臨時増刊号「板金加工読本2022」連動企画
(2022/4/11 00:00)