(2022/6/27 00:00)
中部地方で初となる産業用ロボットと自動化システムの展示会「ロボットテクノロジージャパン2022」が6月30日―7月2日に愛知県国際展示場(愛知県常滑市)で開かれる。主催はニュースダイジェスト社(名古屋市千種区、樋口八郎社長)で、愛知県機械工具商業協同組合(同熱田区、水谷隆彦理事長)が共催する。
出展者数は202社・団体、1096小間。大手ロボットメーカーが一堂に会し、ロボットハンドやセンサーなどの周辺機器、無人搬送車(AGV)、計測システムなどを紹介する。またシステムインテグレーター(SIer)の専用ゾーンも設けた。出展企業から注目の企業を紹介する。
多品種少量生産の自動化実現【ダイドー】
メカトロニクスの専門商社ダイドーは「産業界のコンダクター」として、ロボットシステムの構想から最適なシステム導入までを一貫して提案する「ロボティクスソリューション」に力を入れている。
高速搬送ソーティングロボットやロボット連動スポンジテープ貼り付け装置、フレキシブル自動化プラットフォーム「DX―CELL」を出品する。新たなシステムで、従来は不可能だった工程や多品種少量生産の自動化を提案する。
同社は東京・名古屋・福岡のロボット関連拠点のほか、2021年11月に無人化ラインのモデル展示施設「ダイドーオートマチックファクトリー」(愛知県安城市)を開設。導入設備の詳細や事前検証に対応している。
スマートファクトリーへの提案【豊和工業】
豊和工業は工作機械や機器製品などの製造・販売を中心に多彩な事業を展開してきた。
現在特に力を入れるのが、自動化や省人化を通じた工場マネジメントの全体最適化を実現する、スマートファクトリーの提案だ。IoT(モノのインターネット)技術を活用し、人手不足の解消や生産性向上、コスト削減を目指す。
同展示会では「SIerゾーン」でAMR(自律移動ロボット)を用いた加工ラインの自動化パッケージを提案する。AMRによる加工対象物(ワーク)着脱や段取り替え、高精度な補正技術を用いたチャック爪の自動交換(AJC)を行う。これにより設備の省人化対応や品質の安定、生産性向上を可能にする。またデジタルツインによるシミュレートで生産ラインの立ち上げ時間を短縮。パッケージの組み合わせでさまざまな生産形態に対応する。
近年、新規導入設備だけでなく既存設備への自動化要求が増加している。同社の自動化パッケージは、自社設備にとらわれることなく、さまざまなユーザーニーズに合わせた提案をする。
生産性の向上図るロボットシステム【高松機械工業】
生産ラインの自動化を得意とする高松機械工業は、近年の変種変量生産の常態化や人材不足に対応するためのロボットシステム「ServoROT(サーボロット)―01」を開発した。
多関節ロボットとトレーチェンジャーの一体構造で、セットアップはティーチングのみと容易だ。昼夜問わず無人運転でワークの供給と排出を行う。加工品質保持や安定供給、多台数管理を実現し生産効率向上を果たす。
機械前面に畳1畳分のスペースがあれば、他社製含め既存機への後付けも可能。機械本体のセットアップ時はロボットの台座ごとスライドさせて対応できる。主力の工作機械事業だけでなく、同社の自動化・省力化事業にも期待できそうだ。
(2022/6/27 00:00)