SIer最前線/八光オートメーション 搬送・空調・検査分野に強み

(2023/9/12 05:00)

八光オートメーション(福岡県粕屋町、小野和雄社長)は、自動制御装置の設計製作を強みにソフトウエア開発も手がける。大規模な生産ラインにも一括対応可能。搬送、空調、検査の3分野を得意とし、ロボットを含めてさまざまなメーカーの機器を組み合わせたシステムを構築する。

  • 塗装面の細かな凹凸を検出する装置はロボットと組み合わせることも可能だ

設備の改造や更新のノウハウも豊富で、詳細な仕様が分からない設備が対象でも、仕様を調査した上で要望や課題の相談に応じる。

搬送の実績では食品、半導体、建築の業界が多い。既存設備に組み入れる場合、作業者の動きを分析した提案がポイント。自動化する作業は細かく検討する。例えば製品を箱に詰める場合、幾つずつ詰めるかも十分にシミュレーションする。

搬送物の変化やトラブルへの対応も重要だ。全自動にせず、人手作業と組み合わせることで効率を高められる場合もある。作業者の不安に配慮した説明も欠かさない。そして「どれくらいコストを下げられるかを目指す」(小野社長)。

空調についてはビルや工場、クリーンルームの制御をはじめ熱源設備の計装盤や動力盤も設計、製作する。

検査に関しては装置を自社開発し、自動化を実現する。カメラで表面の歪みを計測するセンサーは、対象に照明を当てて反射する光からわずかな歪みが分かる。対象に光沢があれば使用可能だ。塗装後の細かな凹凸を検出する装置は、ロボットを組み合わせて広い範囲を検査できる。

マイクロ波やミリ波を使った検査装置は非破壊、非接触で非金属物質の内部の密度分布を調べられる。れんがやガラス、ゴム、セラミックスなどの内部の隙間や異物の発見が可能だ。接触面に水や油などを使わない非接触での超音波検査装置は、樹脂の溶着や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の剝離の状態を確認できる。高速質量検査装置は、押し出し成形品の異物検査やカプセル剤での使用を想定している。

検査は熟練技能が求められ、特に中小企業では担当者の育成が課題。小野社長は「中小の課題解決に貢献したい」と検査自動化の裾野拡大に意欲を示す。

【企業概要】▽所在地=福岡県粕屋町仲原2753の5▽資本金=3000万円▽売上高=約14億円(24年12月期見込み)▽従業員=88人▽創業=68年(昭43)6月

(2023/9/12 05:00)

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