コスモ・サイエンス 武藤泰和社長インタビュー【PR】

(2023/12/7 11:00)

  • 武藤泰和社長

 フェローテックホールディングス(HD)は半導体製造装置向け部材の石英やセラミックス、その他真空部品の真空シールなどを製造販売している。そのフェローテックHD子会社のフェローテックマテリアルテクノロジーズ(FTMT、東京都中央区、山村丈社長)が2023年4月に買収したコスモ・サイエンス(神奈川県平塚市、武藤泰和社長)では半導体や有機ELディスプレー製造に用いる真空装置を約40年にわたり受託製造を中心に行っている。このたび23年10月に新社長として武藤氏が就任した。武藤新社長にコスモ・サイエンスの強みや今後の展望などを聞いた。

―武藤社長はFTMTに入社するまで半導体や電子部品向け材料、レアメタル(希少金属)の金属粉末といった分野の営業に携わり、外資系企業の日本法人の社長をするなどしてきました。コスモ・サイエンスの事業に関わりだして数カ月ですが就任されて実感としていかがですか。

  • 株式会社コスモ・サイエンス

 「社長に就く前からコスモ・サイエンスの事業についての情報を仕入れていたので、現在はようやく事業内容も理解でき、これからどうやって会社を成長させていくか技術や営業部門含めて話をしている所だ」

―コスモ・サイエンスの強みとはどんなところでしょうか。

 「真空技術に関わる豊富な経験、実績を積んだ技術陣を多数抱えており、様々なサービスを提供できるのが強みだ。顧客の仕様に基づき設計から形にする技術は非常に高い。取引先の大手企業から評価されている。もう一つは創業以来、大手の真空装置メーカーと受託製造、組み立てを行っている。そういった製造技術を生かして事業拡大していけるところだ。当社は半導体・液晶業界を中心に事業をやって来ているが、今後化学業界や医療業界などさまざまな業界に横展開していけるのではないかと感じている」

  • 現場の作業者

「あとはグローバル。フェローテックHDグループのネットワークを生かして世界に打って出る。他の産業とエリアを拡大していく戦略を今後はやっていくだろう。そのためにはまずは日本国内でのコスモ・サイエンスの認知度を高めないといけない」

―その解決策として展示会への出展を加速させるとしています。

 「23年12月にはセミコンジャパン、24年2月にはテクニカルショウ横浜(パシフィコ横浜)に出展して会社の知名度を高めていきたい。今まではホームページにお客さまが来てもらう形だった。こちらから積極的に販促していくことはあまりなかった。あとは製造・組立スペースが限られているので仕事の受け入れも限られてしまう。これからはフェローテックHDが入って設備投資もしていく方針なので、それができれば今まで断っていた案件を取り入れられるほか、新規顧客も開拓できる」

  • 23年11月に開設する組み立てスペース

―具体的な投資計画を教えてください。

 「真空装置の製造・組立スペースを拡大する。23年中に本社工場(平塚市)内のレイアウト変更で新たに製造・組立スペースを生み出すほか、同敷地内で24年半ばに新棟を建設する。これにより製造・組立スペースは増設前に比べて1・6倍に広がる。スペース拡張だけでなく採用活動も注力して、24年に100人弱、25年には120人体制にしていく。当社は中途採用者が多い。大卒や高卒の新卒採用活動は今後必要だと感じている。そこはフェローテックHDに積極的な協力をいただきながら採用を進めたい」

―売上比率は半導体と有機EL向けで全体の7割を占めています。今後この比率は変わるのでしょうか。

 「どう変わっていくか現状未定だ。具体的にどの分野の比率を高めるとかはこだわっていない。ただ半導体だけにフォーカスすると、同市況の浮き沈みを受けやすくなるのは事実だ。ただ半導体の中でもロジックやメモリー、パワー半導体など種類があるので、その辺りでうまくリスク分散すればよいと考えている」

―直近の受注状況は。

 「本年度(23年12月期)は勝負ありで、後は受注している案件の納期を守って納めていく。現在は、来期に向けて受注活動しているところだ。半導体、有機ELスパッタ装置や、車載向けパワー半導体分野、スタートアップ企業からも装置案件が寄せられており、それをどう実現していくかをこれから決めていくところだ」

―コスモ・サイエンスは日本国内で真空装置の設計や組み立てを行っています。今後、海外にあるフェローテックHDのグループ会社を活用し加工委託するなど、グループ内でのロケーションの変更も視野にあるのでしょうか。

  • 手がける半導体向け搬送装置

 「日本には多くの半導体製造装置会社があるので、金属加工はかなり鍛えられている。それを他国でできるかと言えば簡単ではないだろう。HD的な視点で言えばグループのシナジーを使う必要があるだろうが、問題なのは米中の貿易摩擦。顧客から受注したモノの図面を他国の工場に渡す場合、複雑な問題が出る可能性があるので、先ずは国内でしっかり対応していくのが現状だ」

―グループ企業としてシナジーの創出や売上高の拡大など挑むべき仕事は数多くありますが、それをしながらコスモ・サイエンスを今後どんな会社にしていきたいですか。

 「厳しさの中に楽しさがある会社にしていきたい。そのためには高い目標があってそれを一つひとつ実現していき、楽しみながら仕事をしてもらいたい。また従業員にはプロ意識を持ってほしい。自立的に行動できるプロ集団にしていきたい。あとは部署間や上司部下分け隔てなく意見をもっといえるような会社にしていきたい。社員一人一人が成長していけるような会社として全体をスキルアップしないといけない。そのためには仕事を楽しみながら成長できる環境を作っていく」

(株)コスモ・サイエンスを詳しく知りたい方はこちら

https://www.cosmo-science.co.jp/

(株)フェローテックマテリアルテクノロジーズのWEBサイトはこちら

https://ft-mt.co.jp/

(株)フェローテックHDのWEBサイトはこちら

https://www.ferrotec.co.jp/

(2023/12/7 11:00)

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