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[ エレクトロニクス ]
(2017/1/30 05:00)
東芝が半導体メモリー事業を分社化し、外部からの資本受け入れを決めた。米原子力発電事業で7000億円規模の損失が発生する可能性があり、稼ぎ頭を切り売りして債務超過を乗り切る狙いだ。また原発事業を巡っては海外展開を縮小する方針を示した。東芝は不適切会計問題を受けた構造改革を経て、半導体メモリーと原子力を柱に据えたが、中核を失った。経営再建はゼロからのスタートになる。
東芝は半導体メモリー事業を3月31日をめどに分社化する。新会社への外部からの出資は20%未満に抑えるとの基本方針を示し、綱川智社長は「東芝の中で重要な位置付けは変わらない」と説明した。しかし額面通りには受け取れない。メモリーの分社化は、設備投資費を確保するために資金調達手段を多様化することも狙いで、将来の上場も視野に入れている。「東芝グループから離れていくのが自然な流れ」(外資系証券アナリスト)だ。
損失の震源地となった原子力事業については、「エネルギー部門の最注力分野としてきた位置付けを変える」(綱川社長)と明言。海外での工事ビジネスの新規受注を止め、機器の製造に特化する方針を示した。
東芝は不適切会計問題を契機としたリストラを経てエネルギー、社会インフラ、半導体を中核3部門とし、中でも原発、半導体メモリーを成長のけん引役に据えた。
今回の米原発事業での巨額損失を受けても「エネルギー、社会インフラ、半導体という3本柱は変わらない」と綱川社長は説明した。しかしエネルギー部門では原発事業の縮小を余儀なくされ、半導体部門ではメモリー事業が離れていく格好で3本柱のうち2本に頼れなくなったというのが実情だ。
残る柱となる社会インフラ部門は、エレベーターや産業システムなど安定的な事業を多く抱える。同部門にリソースを集中し、地味ながら確実な成長を目指す経営戦略を練る選択肢もある。
■志賀東芝会長、退任へ
東芝は、原子力発電事業を統括する志賀重範会長を退任させる方向で調整に入った。米原発事業で最大7000億円の損失が発生する見込みで、経営責任を明確化する。
人事の諮問機関である指名委員会で議論し、2016年4―12月期決算と合わせて早ければ2月14日に発表する。会長職は空席になる見込み。志賀会長は損失の発生源となったウエスチングハウス(WH)社長などを歴任した。現在のWH会長のダニー・ロデリック氏も退任する可能性が高い。綱川智社長は続投する方向で調整する。
(2017/1/30 05:00)
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