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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/5/23 05:00)
【浜松】ヤマハ発動機は年内をめどにインドネシアで、2輪車の先進国向けモデルに搭載する大型エンジンの生産を始める。大型エンジンを東南アジアで生産するのは初めて。インドネシアからフランスやマレーシアに輸出する。欧米や日本での大型モデルの販売好調を背景に、為替や数量などの変動に強いグローバルな生産ネットワークの構築を目指す。
子会社のヤマハ・インドネシア・モーター・マニュファクチャリング(YIMM、ジャカルタ市)にエンジンの製造ラインを新設する。投資額は数十億円となる。排気量700ccクラスの2気筒エンジンを生産し、人気モデルの「MT」シリーズや「XSR」シリーズに搭載する。
現在、同クラスのエンジンは本社工場(静岡県磐田市)で年間3万―4万台規模で生産している。大型モデルの販売増加で工場の生産負荷が高くなっているため、数千台をインドネシアに移管する。インドネシア生産分は当面、フランスやマレーシアなどの組み立て工場に供給する。
新興国のエンジン生産は、市場の大半を占める小型モデル向けの排気量110―150ccの単気筒エンジンが中心。エンジンが大型化すると工程が増え、生産も難しくなる。インドネシアでは同250―300ccクラスのグローバルモデル向けエンジンを数年前から生産し、品質向上や人材育成に取り組んできた。
ヤマハ発はリーマン・ショックの影響で国内生産を縮小した経験から「国内投資は慎重にし、世界全体で自由度が高くコスト競争力のある生産配置を目指す」(山地勝仁取締役上席執行役員生産本部長)としている。インドネシアでの大型エンジン生産はその試金石となりそうだ。
2輪業界では大型エンジンの生産はまだ日本国内が中心。ホンダが日本とブラジルで生産する以外はスズキ、川崎重工業も国内のみで生産している。
(2017/5/23 05:00)