【熊本地震】生産停止、全国に波及―部品メーカー供給に支障、再開の見込み立たず【FREE】

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  トヨタ自動車九州のレクサス生産ライン

熊本県の地震が全国の自動車生産に波及している。トヨタ自動車は１８日から２３日に、東北から九州にわたって完成車組み立てラインの稼働を段階的に停止すると発表。三菱自動車とダイハツ工業も九州圏外の工場の稼働を停止する。部品供給の支障が出ているため。（１面参照）

トヨタは１８日からトヨタ自動車九州の宮田工場（福岡県宮若市）、１９日から高岡工場（愛知県豊田市）、堤工場（同）、元町工場（同）、田原工場（愛知県田原市）など、２２日からトヨタ自動車東日本の宮城大衡工場（宮城県大衡村）などを停止する。いずれも２３日まで。再開は部品の供給状況などを見ながら判断する。アイシン精機の熊本県にある子会社が供給するエンジン部品やドア部品の供給が滞っているため。

そのアイシン精機は１８日、アイシン九州（熊本県熊本市南区）とアイシン九州キャスティング（同）の操業を１４日夜の地震発生以降停止していると発表。度重なる余震の影響で建屋内に立ち入っての被害状況の調査が難航しているという。安全が確認でき次第、建屋内の被害状況の確認を進め、早期操業再開に向けた復旧作業を進める。「国内外での代替生産を開始して部品供給に全力で取り組む」としている。

三菱自動車もアイシン精機の影響を受けている。水島製作所（岡山県倉敷市）の車両生産ラインの稼働を一部で１８日夜から２０日まで停止する。タイミングチェーンケースを調達するアイシン九州キャスティングの生産が滞っており、すべてのラインについて２１日以降の対応は２０日午前中までに決める。

ダイハツ工業も１８日から２３日まで段階的に停止する。ダイハツ九州の大分工場（大分県中津市）と久留米工場（福岡県久留米市）は１８日から２２日まで、京都工場（京都府大山崎町）は２０日から２３日まで停止する。部品の供給状況を原因にしているが具体的なサプライヤーは明らかにしていない。日産自動車の日産自動車九州（福岡県苅田町）は１６日に予定していた生産を休止したが、１８日は稼働した。１９日以降も稼働する。

ホンダは２輪生産拠点、熊本製作所（熊本県大津町）の生産を２２日まで休止する。ホンダに２輪部品を供給する熊本県内のサプライヤーも影響が出ている。合志技研（熊本県合志市）は建屋の一部に損傷があり１９日まで操業を停止する。現在設備状況を確認しており２０日以降の稼動を検討している。九州テイ・エス（熊本県菊池市）は「取引先が停止していることもあり稼働していない。いつ再開するかは分からない」としている。