[ 金融・商況 ]
(2016/4/29 05:00)
(ブルームバーグ)資産家ウォーレン・ バフェット氏は4月30日、銀行がデリバティブ(金融派生商品)契約を抱えていることが、大半の金融機関を投資先として魅力のないものにしているとの見方を示した。こうしたデリバティブ契約には依然としてリスクが潜んでいると指摘した。
バフェット氏は自らが率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイの年次株主総会で、デリバティブの「一部はあまりにも複雑なため、評価が極めて難しい」と指摘。「監査人には、これをチェックする能力が必ずしも備わっていないと思われる」と語った。
バークシャー自体が デリバティブを活用するようになってからも、バフェット氏はデリバティブに批判的な態度を維持している。同氏はこの日、バークシャーが担保を提供しなければならなくなるような取引は避けていると説明。より大きなリスクは、サイバー攻撃や核攻撃などで市場が混乱した場合、大手銀行がこうした契約を評価するのが困難になる点だと述べた。
バフェット氏はデリバティブについて、「依然として金融システムにおける潜在的な時限爆弾だ」と述べ、世界の大手50行のうち約45行については投資先として検討しようとも思わないと語った。
バークシャーはウェルズ・ファーゴの筆頭株主であり、バンク・オブ・アメリカ(BofA)の株式も保有している。バフェット氏は両行については懸念していないと述べた。
(2016/4/29 05:00)