(2025/1/1 05:00)
能登半島地震の発生から1日で1年を迎える。2024年9月には記録的な豪雨にも見舞われ、「複合災害」が能登の復旧・復興を遅らせている。震災の被災者向け仮設住宅が全て完成したのは24年12月下旬だった。ほぼ1年を費やした。
石川県によると、24年12月27日時点で地震による1次避難は14人で、ピーク時の3万人超がほぼ解消されつつある。だが豪雨による避難者は221人を数える。地震で緩んだ地盤が豪雨に見舞われ、土砂崩れなどが誘発された。「なぜ能登ばかり」の思いを強くする。
地震による死者は498人(24年12月27日時点)を数え、うち災害関連死は270人。関連死が直接死を上回る。熊本地震以上の関連死が出ており、救えた命はなかったか悔やまれる。
石破茂首相は、関連死を防ぐためにも避難所の満たすべき基準を定めるという。能登の1日も早い復旧・復興はもとより、孤立集落支援のあり方など、能登を教訓に防災・減災対策を急ぎたい。
阪神・淡路大震災の発生から17日で30年になる。昨夏には南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が初めて発出された。震災は「ひとごと」ではない。きょう元日こそ、万一に思いを致す日としたい。
(2025/1/1 05:00)