[ ICT ]
(2016/7/18 05:00)
ソフトバンクグループは18日、半導体設計を手がける英ARMホールディングスの買収について、両社間で合意したと発表した。ARMの全株式を約240億ポンド(約3兆3000億円)で取得し、完全子会社化する。買収は9月末までに完了する見込み。
ARMはIoT(モノのインターネット)分野で生かせる優れた技術を持っており、同社の買収により今後拡大が見込まれるIoT市場の需要獲得を目指す。
ARMはスマートフォンなどに使われる半導体を設計し、そのライセンスを半導体メーカーなどに提供している。世界の市場では圧倒的なシェアを持っており、ARMによると世界のスマホの95%で採用されている。
ソフトバンクグループの孫正義社長は同日、ロンドンで記者会見を開き、「次のパラダイムシフトがIoTにより起きると考えている。巨大なチャンスのあるIoT分野を強化するために投資する」と買収の狙いを語った。そのうえで、ARMに対して「成長のための資金を提供するほか、中長期の戦略に深く関わっていく」と力を込めた。今後5年で英国におけるARMの従業員数を倍増する方針も示した。
ソフトバンクにとっては2013年の携帯電話子会社、米スプリントの買収(約220億ドル)を上回る過去最大規模の買収となる。同社は今年6月以降、中国電子商取引(EC)大手のアリババグループホールディングやフィンランドのスマホ向けゲーム会社、スーパーセルの株式などを売却し、約2兆円を資金化した。これらをARMの買収資金に充てる。また、ブリッジローンとして最大1兆円の借り入れ契約をみずほ銀行と締結した。
(2016/7/18 05:00)