[ ICT ]
(2016/9/25 05:00)
(ブルームバーグ)米アップルはスマートホーム機器の開発を推進している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。iPhone(アイフォーン)に採用されている音声アシスタント機能「Siri(シリ)」に基づいたスピーカー型機器になるという。こうした機器ではアマゾンの「Echo(エコー)」が先行している。
非公表のプロジェクトだとして匿名を希望した関係者によると、開発は2年以上前に始まり、すでに研究段階を終了。現在は試作品のテストに入っている。アマゾンのエコーと同様、家電や鍵、照明、カーテンなどを音声による指示でコントロールするよう設計されている。
アップルはまだこのプロジェクトを最終決定しておらず、取りやめになる可能性も依然あるという。
だが販売に至る場合、アップルにとっては2014年の「アップル・ウォッチ」発表以来の新たな大型ハードウエアになる。アマゾンのエコーは予想外のヒット商品となり、多くの企業が開発するスマートホームシステムにすでに組み込まれつつある。一方、グーグルの親会社、アルファベットは「グーグル・ホーム」の開発に取り組んでいる。アップルはこの競争に挑戦するばかりでなく、iPhoneに続く新たな人気商品を狙っている。
関係者2人によるとアップルはエコーやグーグル・ホームとの差別化を図り、より先進的なマイクとスピーカー技術を採用。別の関係者は、テスト中の試作品の一部には顔認識センサーが搭載されていると述べた。アップルはこの2年で顔認識システムを手がける新興企業、フェイスシフトとエモティエントを買収しており、スマートホーム機器はこの技術を使って誰が部屋にいてどのような感情状態なのか読み取り、それに応じて操作できるようになる可能性がある。
アップルのスピーカーはまた、アイフォーンで利用できるシリのコマンドの多くを処理することも理論的に可能だ。別の関係者によると、例えばユーザーは機器に話しかけることで、電子メールの読み上げ、テキストメッセージやツイートの送信、アップル・ミュージックのコンテンツ再生などを命じることができるかもしれない。
アップルの広報担当者はコメントを控えた。
原題: Apple Said to Step Up Plans for Echo-Style Smart-Home Device(抜粋)
(2016/9/25 05:00)