[ 金融・商況 ]
(2016/10/9 09:30)
(ブルームバーグ)日本銀行の黒田東彦総裁は、金融緩和策にはなお拡大の余地があり、当面は国債買い入れプログラムを縮小する意図はないと述べた。
黒田総裁は8日、ワシントンでブルームバーグテレビジョンとのインタビューに応じ、「当面は長期金利をゼロ付近に維持する。必要となれば、10年国債の目標利回りを0%よりさらに下げることはあり得る」と発言。「必要とあれば、長短両方の金利を低下させることもできる」と続けた。
総裁はさらに、イールドカーブをコントロールする政策の成功を確信しているものの、目標から外れることはあるかもしれないと指摘。「10年債利回りを完全にコントロールできるとは言わない。しかし経験に基づけば、長期金利が0%近くにあるよう、基本的には影響を及ぼし、管理することはできる」と話した。
総裁は「国債購入プログラムを近く縮小できるとは考えていない」とし、「経済を刺激し、2%のインフレ目標を達成するため、こうした低水準の金利を維持する必要がある」と言明した。
日本経済の動向について総裁は、「経済は加速する可能性が高い」と発言。依然低い原油価格と物価上昇見通しの弱さを理由に、インフレが加速するにはもう少し時間がかかるかもしれないと付け加えた。「物価上昇率2%を達成するにはさらに何カ月か要する可能性があるが、見通しを検証する前にあらゆる関連統計を注意深く精査する必要がある。変更するかもしれないし、変更しないかもしれない」と述べた。
原題: Kuroda Says Can Lower Short, Long-Term Bond Rates If Necessary(抜粋)
(2016/10/9 09:30)