[ 金融・商況 ]
(2016/11/12 05:00)
阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、四国銀行は11日、包括提携した。4行の営業エリアである四国の「創生」をテーマに、協力して四国全域の活性化を目指す。約1年前から議論を積み重ね、今回の包括提携に至った。各行は経営の独立性は維持していく方針。具体的な取り組みは今後4行で検討組織を設けて協議する。
包括提携を「四国アライアンス」と名付け、産業活性化や雇用創出、地域資源を生かす組織の運営、四国ブランドの国内外への情報発信などを目指す。4行でのビジネスマッチングや海外展開支援も行う。証券子会社の活用や預金、個人ローン商品の共同開発、協調融資にも取り組む。事務業務などを集約して運営子会社化し、コストダウンを図ることも検討する。
四国地域は他地域に比べ、人口減少や少子化・高齢化などの先進圏として課題に着面している。また、金融機関は異業種参入による競争激化、マイナス金利政策がもたらした厳しい収益環境などに見舞われており、4行の競争関係を維持しつつ、それぞれの強みやノウハウを結集し協働していくことが有効と判断した。
4行の頭取が同日会見し、百十四銀行の渡邊智樹頭取は「経営の独立性は維持する」と述べ、将来の統合を否定した。一方、伊予銀行の大塚岩男頭取は「人事交流などもやろうと話している」と踏み込んだ内容にする意欲を示した。阿波銀行の岡田好史頭取は「住んでいるところが良くなることが一番うれしい」、四国銀行の山元文明頭取は「(高知の)地元の企業にも相乗効果を示せる」と提携による四国創生への期待感を示した。
(2016/11/12 05:00)