[ ICT ]
(2016/11/15 12:30)
(ブルームバーグ)米アップルはデジタル眼鏡型端末事業への進出を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。リスクを伴うが、眼鏡型はウエアラブル端末では潜在的に収益性の高い分野。
同関係者によると、まだ検討段階だが、アップルの眼鏡型端末は「iPhone(アイフォーン)」にワイヤレスでつながり、着用者の視界にイメージやその他の情報を映し出す。拡張現実(AR)を活用する可能性もある。部外秘のプロジェクトであることを理由に匿名で語った。
アップルは眼鏡型端末プロジェクトに関してサプライヤー候補と話し合っており、サプライヤー1社に少量の眼前ディスプレーを試験的に発注した。関係者1人によると、早期量産化を示唆するほど部品は注文していないという。
別の関係者によれば、アップルが最終的に眼鏡型端末の製品化を進める場合、投入は早くて2018年になるという。アップルは多種多様な製品を試しており、こうしたプロジェクトを公表することなく転換、中断もしくは中止することで知られる。同社広報のトルーディー・ミュラー氏はコメントを控えた。
ティム・ クック最高経営責任者(CEO)は売上高の3分の2を占めるアイフォーンの販売鈍化を受け、新製品投入を求める圧力にさらされている。7月には、AR技術を利用したモバイルゲーム「ポケモンGO」が人気を博したのを受け、同技術に高い関心を表明していた。
関係者1人によれば、眼鏡型端末はアップルにとってAR技術の利用を直接狙った初のハードウエア製品となる可能性がある。アップルは買収を通じてAR分野の能力を強化している。13年には、マイクロソフトのゲーム関連機器「キネクト」に搭載のモーションセンサー技術を開発したプライムセンスを買収。15年には同分野のソフトウエアを開発する新興企業のメタイオを傘下に収めている。クックCEOは7月26日のアナリスト向け電話会議で「ARは実に素晴らしい可能性があり、同分野に引き続き大きく投資する」とコメントしていた。
アップルの課題は、インターネットにつながる眼鏡型端末を小型でセンス良く一般の人が着用できるものにする上で、必要なあらゆる技術を組み合わせることだ。米グーグルは以前に「グーグルグラス」というネットにつながる眼鏡型端末の開発を試みたが、小型電池がすぐに消耗するなどの問題でつまずいた。グーグルグラスはプライバシーの面でも批判を受け、デザインも不評だった。
原題: Apple Said to Explore Smart Glasses in Deeper Wearables Push(抜粋)
(2016/11/15 12:30)