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[ 医療・健康・食品 ]
(2016/11/25 11:00)
(ブルームバーグ)米国民の主要な死因の1つがアルツハイマー病で、この病気を完治させる治療法はまだない。米イーライリリーがアルツハイマー型認知症の治療薬として開発していたソラネズマブについて、第3相臨床試験で主要評価項目を達成できなかったと23日発表したことで、見通しは一段と暗くなった。
だが研究員や投資家は業界に対しあきらめないよう求めている。製薬会社もまた、過去にこの研究を後退させた企業を含め、取り組みを当面続ける決意だ。
フランスのサノフィで神経科学責任者に最近就いたリタ・バリスゴードン氏は「深刻な病気であり、サイエンティストにとってやり遂げることが極めて重要だ」と指摘、「この分野の全体的な前進に寄与するような、もっとよく練られ研究された臨床試験の実施を強く訴えていく」と話している。
アルツハイマー病の研究にはすでにイーライリリーだけで27年間に30億ドル(約3400億円)余りが投じられており、同社の株価は23日に大きく値下がりした。
サノフィは数年前、当時のクリス・ヴィーバッハー最高経営責任者(CEO)の下でアルツハイマー関連研究に多くの経営資源をつぎ込まない 方針を表明していた。バリスゴードン氏は幻想を抱いているわけではない。すでに多くの失敗を重ねたこの研究について、失敗はまだ繰り返されるだろうとも予想する。同社の動きは漸進的で、パートナーを探しているもようだ。
イーライリリーもまたアルツハイマー病の研究を堅持する方針だ。デービッド・リックス次期CEOは、同社が幾つかのアルツハイマー病治療薬を開発中であり、業界で最も幅広いパイプライン(新薬候補)の1つを有していると語る。第3相試験に進んでいる米バイオジェンと米メルク、スイスのロシュ・ホールディングはいずれも治験に対し引き続き自信があると述べ、同じような展望を描いている。
原題: Don’t Give Up Hope Yet After Latest Alzheimer’s Drug Setback(抜粋)
(2016/11/25 11:00)