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[ 医療・健康・食品 ]
(2016/12/10 05:00)
日本製薬団体連合会(日薬連)の多田正世会長(大日本住友製薬社長)は9日、「製薬産業は毎年の薬価改定には断固反対する」との見解をあらためて表明した。政府の経済財政諮問会議では民間議員から全品目を対象に年1回以上の薬価見直しを行う案が出されているが、業界関係者の反発で調整が難航する可能性もある。
日薬連の多田会長は同日に行われた中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)の薬価専門部会に出席し、薬価の全面改定を毎年行うことが企業の競争力を弱体化させるとの懸念を表明。その上で、「2年に1度の診療報酬改定と合わせて薬価改定を行うことが、医薬品と技術の適正な評価とバランスの確保につながる。薬価のみ毎年改定を行うことは、診療報酬体系とのバランスを損なう」と訴えた。
病院や調剤薬局が仕入れる医療用医薬品の価格は、卸売業者との交渉で決まる。時間の経過とともに市場実勢価格が下がり、公定価格である薬価との差が拡大する事例が多い。政府は薬価改定頻度を増やして薬剤費節減につなげる考え。年内に薬価制度の抜本見直しに関する基本方針の策定を目指している。
7日の経済財政諮問会議では、民間議員が全品目の薬価見直しを年1回以上行うことを提案。塩崎恭久厚労相も、少なくとも年1回は薬価を見直すとの考えを示した。今後は毎年改定の対象となる製品の範囲をどう設定するかが議論の焦点になるとみられる。
(2016/12/10 05:00)