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[ エレクトロニクス ]
(2016/12/20 05:00)
ルネサスエレクトロニクスは2017年12月期に、自動車用半導体の生産能力を増強する。国内外の拠点で後工程の生産能力を現状比2―3割引き上げる。投資額は計300億―400億円規模になるとみられる。自動運転の普及で進展する車載半導体の需要増に対応する。ルネサスは13年以来、生産拠点の縮小や生産委託を進めてきたが、16年3月期に生産基盤の再強化に転じた。17年も継続し、成長戦略を加速する。
17年12月期の売上高に対する設備投資比率は10%以上になる見通し。そのうち半分以上を後工程(組み立て・検査)の能力増強に投じる。生産子会社の錦工場(熊本県錦町)、大分工場(大分県中津市)、米沢工場(山形県米沢市)に加え、マレーシアなど海外拠点で、ラインの増設や設備更新を進める。
先端半導体において、ウエハーに微細回路を形成する前工程はより大規模な設備投資が必要なため、ルネサスは外部への生産委託比率を高めている。一方、後工程はカスタマイズや高品質が要求されるため内製が多い。
足元では自動ブレーキといった安全運転支援システム(ADAS)の普及に伴い、自動車を制御する車載マイコンなどの需要が好調。16年3月期から全社設備投資額は大幅に増加し、600億円を超える設立以来の高水準で推移している。
呉文精社長兼最高経営責任者(CEO)は「自動運転技術の発展により(構造改革を主軸とした)変革プランの策定時よりも相当強い需要がある」と、生産能力増強を決めた。
一方、中長期的には売上高に対する設備投資比率を、5%程度で維持する方針だ。今後は後工程の生産委託先への技術指導を進め、委託先も含めて生産能力を引き上げる。
(2016/12/20 05:00)