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[ 科学技術・大学 ]
(2017/1/20 13:30)
政府の再就職等監視委員会は20日、文部科学省が国家公務員法に違反して幹部の再就職を組織的にあっせんしたとする報告書を公表した。これを受け、文科省では前川喜平事務次官(62)が同日付で辞任。後任の次官には戸谷一夫文科審議官(59)が就任した。松野博一文科相は記者会見で、今後受け取る大臣給与6カ月分を全額返納すると表明。前川氏や当時の人事課長ら7人に対する減給や停職処分も発表した。
監視委は、15年8月に文科省を退職し、同年10月に早稲田大学教授に就いた吉田大輔元高等教育局長(61)の再就職について、当時の人事課職員が早大との連絡調整を行うなど同省が組織的に関わったと結論づけた。違反を隠すため、現在の人事課職員が監視委に虚偽の報告をしたことも明らかとなった。
監視委は、吉田氏の事案以外にも再就職規制の違反事案が9件、違反が疑わしい事案が28件あったと指摘。違反事案の中には、前川氏が文科審議官当時の15年に同省OBの再就職に関して情報提供した事案も含まれた。
問題の全容解明に向け、文科省は官房総務課内に「再就職等問題担当室」を設置。監視委から指摘された事案について3月末までに調査結果を報告する。松野文科相は、「文科省全体として再就職の規制の理解が不十分で、法令順守の意識も不足していた」として謝罪。再発防止に向け、「どんな行為が違反に該当するのか具体例を挙げ、職員への実効的な研修を行いたい」と述べた。
戸谷 一夫氏(とだに・かずお)80年(昭55)東北大工卒、同年科学技術庁(現文科省)入庁。03年文科省研究振興局ライフサイエンス課長、04年内閣府参事官、06年文科省官房会計課長、08年官房審議官、09年日本原子力研究開発機構理事、12年文科省研究開発局長、13年官房長、15年文科審議官。岐阜県出身。
(2017/1/20 13:30)